ゴーレムハウス、バズる
さて..........あの後、結局、我が家に泊まった柚子さんは、その次の日に、お礼を言った後、帰って行った。
んで、これで一件落着..........かと思われんだが
真凜「大変だよ!!お兄ちゃん!!」
朝陽「どうした?真凜」
真凜「ゴー太がバズってる!!」
朝陽「何!?」
そう、ゴー太がバズったのだ。
実は、ゴー太がゴブリンを倒したり、喋っているところが、バッチリ配信されていたからか、ネット上では、『強いし喋るゴーレム』としてバズったというわけなのである。
ゴー太『バズる、何?』
真凜「ゴーちゃんが有名になったってことだよ」
ゴー太『?』
真凜の言葉に対し、不思議そうにするゴー太。
うん、その気持ちはすごく分かるぞ!!
朝陽「しかし.....何でまた、ゴー太がバズったんだろ?」
真凜「本当にそれだよね!!ゴーちゃんはゴーちゃんなのに.......」
確かに、ゴー太は強い。
でも、だからと言って、バズる要素はあんまり無いと思うんだけどな...........
真凜「そういえば...........ネットと言えば、柚子さんって、めちゃくちゃ有名な配信者だったらしいよ」
朝陽「え!?そうなのか!?」
真凜「うん。何でも、登録者数が一万人を超えてるとか」
朝陽「ガチで有名な配信者じゃねぇか!!」
...........なるほど、そういうことだったのか。
ゴー太『柚子、有名人?』
朝陽「..........みたいだな」
柚子さんが有名な配信者なら、必ず、切り抜きを作る人が現れる。
多分.......その切り抜きが、ネットに広まったことによって、ゴー太がバズったということか。
うーむ、有名人効果は凄いなぁ。
真凜「でも、いくらバズって人気者になったとしても、ゴーちゃんはゴーちゃんだもんね!!」
ゴー太『ゴー太、朝陽、真凜、守る』
朝陽「..........そうだよな。どんなにバズっても、ゴー太はゴー太だよな」
そう思いながら、微笑むと..........何故か、ミニゴー太たちが現れた。
ミニゴー太1『朝陽、真凜、野菜の収穫、しよ!!』
ミニゴー太2『野菜、豊作!!』
ミニゴー太3『トマトも、大根も、ジャガイモも、全部美味しそう!!』
ミニゴー太4『今が旬!!今が食べ頃!!』
朝陽「..........まぁ、悩んでいても仕方ないか」
☆☆☆
一方その頃...........とある場所では、一人の男が、ある映像を観ていた。
その映像は、大きなゴーレムが、少女を救っただけではなく、その中から、人が出てきた.................という感じの内容で、コメント欄には、そのゴーレムの強さに驚く声や、中から出てきた男女二人についての考察などが、書かれていた。
???「ふむ.......喋るゴーレムに、ゴーレムの中から出てきた男女...........か」
映像を観ながら、そう呟く男。
その男の目は、キラリと光っていた。
???「それにしても..........まさか、ゴーレムの内部から、人が出てくるとは」
この世界のゴーレムは、主に、工事現場などで重宝される存在なのだが、モンスターを倒すほどの力は持っていないのが、常識だ。
しかし.......例の配信映像に登場するゴーレムは、ゴブリンの群れを、あっさりと倒すほどの力を持っているだけではなく、内部に、人が入れるほど広さを有しているという、衝撃的な事実を、この映像は示していたため、男は、元ハンターとして、映像に登場したゴーレム達に、興味を持っていたのである。
秘書官「失礼します」
???「やぁ。よく来たね、佐々木くん」
部屋に入ってきた、秘書官に対し、そう言う男。
秘書官「総理、こちらが、例の二人の情報です」
???「あぁ。すまないね」
男は、秘書官にお礼を言うと、すぐさま、その資料を見た。
すると、男の口元は、徐々に緩んでいき..........
???「なるほど。なら、あのゴーレムに暮らすのも納得だ」
と言った。
秘書官「しかし.......何故、総理のご令嬢を救ったあの二人について、調べさせたのですか?」
男に対し、秘書官はそう尋ねると...........男はニヤリと笑った後、こう言った。
???「娘の恩人にお礼を言うのは、親として当然のことだろう?」
男の名は、大鳳洋。
今の日本の総理大臣でありながらも、かつては、最強のハンターとして名を馳せた存在でもあり、そして...........霧島柚子の父親である。
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