第11話 次に進もう

「ようこそ!生徒会室へ!いえーい!」

「え?え?え??」


そこには一つのノートパソコンがありそこに映っていたのは。


「あ、あかりんさん?」


V4の1位のあかりんさんだった。


「やぁ!夏美ちゃん」

「な、なんで……あなたが…ここに‥‥」

「案件よ案件」

「案件…?」

「なんか、よくわからない人からの案件……それもあなた1人に向けての案件、本当に昔から人使いが荒いわ‥‥やれやれ、ところで……夏美ちゃん」

「は、はい」

「ナツミという個人勢のVTuber知ってる…?」


ドキっ‥‥。


「え、ええと‥‥」

「うーん、知らない感じか……でも世の中は、誰が見てるかわからないんだよね」


あかりんさんが映しだされた画面が変わった。


「こ、これって‥‥」


私の配信画面だった。


「見覚えはあるよね」

「‥‥‥‥」

「実写配信だよね」

「は、はい……」


この日の実写配信は、家に誰もいなくハルからご飯をもらいそれを食べた時だった。


「実写配信って結構身バレが多いから気を付けた方がいいと思うよ、例えば食器とか」

「……何を言いたいんですか?」


私は、あかりんさんの言葉に飲み込まれないように対処する。


「それは‥‥」

「……」

「それは、俺の家の食器だからだ」

「っあ、ちょっと…あなた!!私より先にでないで!!」

「は、ハル!?」


ハルが出てきて。


「よっこらせと」

「か、会長!?」


そして、新堂あかり会長も一緒に。


「ななな、なんで2人共ここに‥‥?」

「あなたがナツミというVTuberをやっていてそれを知ってる春田くんが打ち明けたかったんだけど、今の良い感じの距離を保ちたいでもこのままモヤモヤするのは嫌だから、知り合いのあかりんさんに頼もう…って事になったという感じ」

「え、え?」


ハルが私の事を……待って…それも…。


「し、知り合い?って」


私は、内容よりも会長とハルの関係をきいてしまう。


「ん~昔色々あったような感じ?別に付き合ってもないから安心して~!後、あかりんって私の事だよ~!」


あかりさんはポーズをする。

すると画面に映っているあかりんさんが動く。


「え…え??えええ!!???う、嘘??かかか、会長が…あかりんさんなの!?」

「そうなのですよ!ビッグサプライズでしょ?」

「えとえとえと……」

「夏美‥‥‥‥頭の良いお前なら察しはつくと思うが‥‥‥」

「‥‥‥‥そんな急に言われても‥‥私は‥‥‥‥私は」

「結論から言うお前の‥‥…ナツミのマネージャーになりたいんだ」

「え?」

「は?」


私は、唐突の事を言われてびっくりする。

あかりさんも何故かびっくりしてる。


「えと、えとえと‥‥‥‥私は、ナツミっていうVTuberじゃないし…」


私は、あくまでも嘘をつく。


「……そっか‥‥残念‥‥…じゃあ、俺はここまでかもしれない‥‥」

「な、なんで」

「夏美がVTuberやってないって事がわかったから!でも俺は間違った、お前の幼馴染失格だ」

「ま、待って…‥待って!!」


私は、ハルの腕を掴む。


「わ、私が…私が…ナツミ‥‥」

「うん、よく知ってるよ……俺は、お前の事をずっと見てたからな」

「……ハル」

「それに‥‥‥‥俺は、ナツミをトップVTuberにしたい…!」

「っ‥‥!」

「だから‥‥」

「は、ハル!!」


私はハルに抱きついた、懐かしい匂い。

暖かくて‥‥。

このまま…キスをしたい。

でも…私は、我慢する、そして。


「よろしくね!マネージャー!」

「あぁ…よろしく!」

「「あの!!!!!!」」

「???」

「お楽しみな所、申し訳ないんだけど」

「あ、あかり……いたのか」

「待って待って~いるし、それにこのままだと、恋愛シミレーションゲームあるあるでなんか感動シーンを後ろから見て、これでよかったんだよ‥‥…でもなんだろうこの気持ちは‥‥みたいな、滑り台ヒロイン…嫌なんだけども!」

「あはは‥‥」


そんな他愛のない会話して、私はウキウキしながら家に向かう、ハルは会長とちょっと話があるみたいだから私は解散をした。

別に付き合ったわけじゃないのに何故か嬉しい。


「ま、マネージャーか……うふふ‥‥頑張らなきゃ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ねぇ‥‥あれで本当に良かったの…?あなたの気持ちはちゃんと伝えてないじゃない」

「そうだな……」

「いつ伝えるの?」

「あいつがトップVTuberになってから伝えようと思う、それに…‥‥トップVTuberになる最後の登録者は俺にしたい」

「トップVTuberになるのは私だけど」

「ん」


春田くんはチャンネル登録欄を私に見せた。


「あなた、彼女のチャンネル登録してないのね」

「あぁ1000万人なる直前そこで俺は、告白をする」

「おお!良いじゃん!」

「だろ……」

「そっか‥‥でも、負けないから‥‥」

「わかってる!まずは……」

「命をかけてかかってきなさい!よろしくね!春田くん!」

「あぁ」


私は、春田くんと握手をする。


「んで‥‥企画なんだけど…」

「え、ちょっ……なになに……?」

「ナツミをトップVTuberにさせるから協力して」

「や、やるわけないでしょおおおおおお!!!」


そんな、ボケとツッコミをしながら私達は生徒会室の片づけをする、先に春田くんが帰り私は、生徒会室の鍵を閉める。


「なんだろうこの気持ちは、胸が苦しいかも……知らないうちに私も彼の事を‥‥…いや‥‥ずっと…‥好きだったのかもしれない……、うっ‥‥…あの、鈍感主人公許さないから…」


というかこの一件の流れ、私……何もしてなくない

それにこれ滑り台テンプレヒロインの一人になってませんか…?私!!

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