第6話 初コラボ配信!➀
「で、なんでお前が俺の家にいるんだ?」
「良いじゃん私達の仲だし」
そう言うのは登録者数900万人超えのプラチナVTuber《V4》の1位あかりん。
中の人の名前は新堂あかり。
姿は、メスガキ地雷系。
「いやぁ〜推しの配信は1人で見るのもいいけどやっぱり好き同志で見るのが1番だよ」
「確かにそうだけども」
コンコン。
「入るよ〜」
「ん」
入ってきたのは母さんだった。
「あかりちゃん久しぶり〜」
「お久しぶりですお母様」
「あら、やだ、お母様だって嬉しい~!」
母さんはあかりのほっぺをむにむにする、母さんとあかりの関係はあかりが迷子になっている時に母さんが偶然助けてたらしくそこから仲良くなったらしい。
…‥小学…か…いや、やめておこう。
「えへへ」
「あかりちゃん、うちにお嫁に来ない?」
母さんが唐突に変な事を言う。
「母さん!」
「嬉しいんですけど、春田くんは愛しの夏美ちゃんが居ますしね」
「あっ、そっか失敬失敬~ところで何を見ようとしてるの?」
「推しの配信を見ようかなって思ってて」
あかりは答えた。
「そうなんだ~あかりちゃんほどのVTuberにも推しいるんだね~」
「そ、そうですね…参考にさせては貰ってますしこれも業界勉強です」
ちなみに母さんは、あかりがVTuberでV4の1位というのを知っている。
「あかりちゃんも夏美ちゃんもうちに来ればいいのにね…しゅん」
「な、なんだよ」
「ふふっ」
「……」
「じゃあ、あかりちゃんゆっくりしていってね!」
「ありがとうございます!!」
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「「みんな!ゲリラ配信しちゃったけどありがと!!チャンネル登録!高評価!よろしくね!この後、ユキちゃんとのコラボ配信するからね!みんな宴の準備しといてね!」」
コメントには
【OK】
【肉買ってきた】
【酒決める!】
【ちょーたのしみ!】
と並んでいた。
私は、ライブ配信終了のボタンを押す。
「……なんとか、緊張はほぐれたかな」
スパチャと視聴者人数を見る。
『30万』
『5000人』
わかっていた事だけど…同じ時間に、V4のイチゴさんとたまごすーぷさんが配信している、幸いにも1位のあかりんさんは配信をしていなかった。
彼女達が配信すると、例えゴールドVTuberの私でも視聴してくれる人が少なくなる。
コラボ配信も控えてるしそこで…って感じかな。
「……まぁ…うん…私もこの程度か……ってダメダメこんな弱気になっちゃ!応援してくれてるファンに笑顔を届けなくちゃ!おもしろく!楽しく!そして…‥絶対に‥‥私はトップVTuberにならないといけないの!」
気持ちを切り替えた、ユキさんからは言って欲しい言葉のワードを募集で決めると言われたけど、ランダムで決めるらしい。
「…‥もしかして…エッチな言葉とか…あったり…そういえば私、ハルに…んんんん……」
階段でのあの事が不意によみがえった。
私…‥求めてた?
「んんなああああ!!!次に会った時どうすれば!!」
ぴろりーん!
「っ!?」
パソコンの通知音が鳴った。
「…‥あっ……ユキさんからだ」
『準備できた?』
『あ、こちらは大丈夫ですよ!』
『そういえばもっかい聞くけど本当に良いの?私のチャンネルで配信して?』
『大丈夫です!元々、ユキさんが誘ってくれたので』
『そう、わかった。じゃあ、配信するよ』
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「はーい!!皆さん!こんゆちゃ!」
【きた~~】
【¥50000】
【こんゆちゃ~】
「ちょ!ちょ!いきなり!高額ありがと~!!」
【あったけ~】
【訓練されてるゆちゃす民】
【かわいすぎる】
「そんな感じで改めまして~!ゆちゃすこと、美冬ユキです!みんな~元気してた~」
【元気してた!】
【昨日ぶり】
【毎日、配信してんのほんとバケモン】
「あはは~!まぁそんな感じで早速コラボ相手に来てもらおうか~!最近、私の推しのナツミちゃんです!」
私は、緊張しながらも。
「はははは、はじめめめまままして、ななななナチュミです!」
【めっちゃ緊張してる!】
【がんばれ!!】
【さっきまで配信してたな】
【噛んでるの可愛い!】
「あ~めっちゃ!緊張してるね!!」
「す、すいません……やっぱり……私無理です~!!」
「ちょ!!」
【放送事故してる】
【笑った】
「うう…」
「まぁまぁ、最初はそういうもんだからやってうちに慣れるよ!」
「……はい……」
「じゃあ改めて始めようか!」
【OK】
【子を見守る親になる】
【よっしゃあああいくぜ!】
「よ~し!じゃあナツミちゃんの初コラボ配信も記念して、まず初めに私達への質問コーナーだよ!みんな~!質問して!ピックアップして答えるよん!」
コメント欄が質問で埋め尽くされる
「わあ!すごい過去にないスピードでコメントが流れていくよ~」
「み、みんなありがとうございます…!」
「じゃあ~最初の質問!いこっか~」
【@2人に質問です3サイズを教えてください】
「おっと~いきなりですね~!私の方は上から~って……答えないよ!!!公式サイトに書いてあるからチェック!でも~平均よりは大きいよね!肩凝る時あるし…」
すると、ユキさんはアバターを胸を動かす。
「んっしょ……どうよ……?」
【助かる】
【でかい】
【揉ませろ】
【どや顔やめてw】
「っと言っても~。私より大きい人が今日来てくれてるんだよね」
「……っえ!」
【アバター確かにでかい】
【負けてんじゃんゆちゃすw】
【ぺぇぺぇでかい!】
確かに‥‥アバターを見比べても私の方がでかいし…あんまり意識してなかった…恥ずかしい…。
それに。
「そうそう、ミーティングしたんだけど…‥ナツミちゃん……でかいよ」
【はw?】
【わろたw】
【中の人の話w】
【うおおおいい!】
ミーティング自体、オンラインだったがこの人は実際に私の事を知っている。
そう……残念ながら‥…私の方が由紀さんよりでかいのだった。
「今だって私は、手を動かしてもみもみしてるよ」
由紀さんは、手をうねうねと動かして私のアバターに合わせてくる。
私も頑張らなきゃ……!
「ひゃっ!」
【あら^~】
【あら^~】
【あら^~】
【あら^~】
「えっど……ナツミちゃん良いよ‥良いよ…ぐへへへ」
凄い…由紀さん…。
これだけキャラを変えられるのか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うおおおおおおおおおい!!!!!!!!!!!!ユキの奴ゆるさんぞ!!このこのこの私の推しにエッチな事させて!!」
「ちょっあかりさん!?」
ナツミとユキの配信を一緒にみているあかりが急に叫びポカポカと俺の背中を叩く。
「ぐぬぬぬぬ……私だって…‥ナツミちゃんとやりたいんだよ!!もみもみしたいんだよ……」
「わかる」
「うるさい!変態」
「おいおい」
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