第4話:異星人の描き方。「老人と宇宙(そら)」

■「老人と宇宙(そら)」

 著者:ジョン・スコルジー


 「老人と海」とは、180度真逆に方向性が違います。

 主人公のジョン・ペリーが、宇宙軍に入隊する場面が、衝撃的。

 ものすごく「エキサイト」します。

 「老人の海」を想像した方は、ぜひ手に取ってみてください。ぶっ飛びます。


 宇宙軍入隊後、ジョンは様々な異星人と戦うのですが、ここが本作のポイント。

「異星人を、どう描くか?」


          **


 もう少しテーマを絞ると、

 銀河系に広がる文明圏を描く際に、


「『様々な種族がいる世界』と『人間だけの世界』のどちらにするか?」


というのが、今回、考えたテーマです。


■作品例(ごく一部)

 「人間だけの世界」は、アシモフの「ファウンデーション」シリーズや、田中芳樹氏の「銀河英雄伝説」などが該当すると思います。


 「老人と宇宙」や、映画「スターウォーズ」は「様々な種族がいる世界」ですね。

 ウルトラマンも、この部類でしょうか。


 「様々」ではないけれど、人類ではない種族に遭遇する話は、たくさんあります。

 2001年、インディペンデンス・ディ、プロメテウス、オブリビオン等々。


 銀河系には、恒星が2000億個以上もあるそうで。

 人間以外の種族がいても、おかしくない気がします。


■なぜ、「人間だけの世界」を描くのか

 異星人を扱うのなら、例えば「宇宙のランデヴー」(アーサー・C・クラーク)のように、謎解きの要素を、じっくり詰め込んだ作品が、好きです。


 恐ろしい能力や武器を持った異星人が、次々と現れる、という話も、スリルがあって楽しいのですが、長く続き過ぎると、辛くなる。

 特殊能力のブレストをしているような、圧迫感を感じてしまいます(^^;


 むしろ、同じ人間なのに、置かれた環境や歴史によって、

「どうしてここまで、違ってしまったんだ!」

ということを描く方が、衝撃が深い気がする。

 少なくとも、今は、そんな風に考えています。


■「初めて小説」を後押ししたもの

 ここまで書いて、気づきました。

 確かに、「老人と宇宙」を読んだ時は、上のように考えました。

 

 でも私が、初めて「小説を書く」という、大それたことに挑戦したのは。

 未知の世界に触れるという、SF的な面白さだけではなく、


「ボーイ・ミーツ・ガール」で

「ガール・ミーツ・ボーイ」な

物語を書きたい!


 という、根源的な欲求があったのだと。


 地球にやって来た異星人が、タコや蟹だったら、そういう物語にならない!

 いや、理論的には、ありかもしれないし、ポリティカル・コレクト的には、その可能性を否定してはいけないのかもしれない。

 だがなんというか、そんな絵面では―――創作意欲が刺激されないからだ!!


■まとめ

 最初の理由も、2つ目の理由も、どちらも私を突き動かしておりますので、

 両方の理由で、今は「人間だけの世界」を書いております。


 楽しそうなプロットを思いついたら、「様々な種族がいる世界」にも挑戦したいと思います。

 以上です。

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