第2話:唯一泣いたSF「ソングマスター」

著者:オースン・スコット・カード

出版社:早川書房


 オースン・スコット・カードだと、「エンダーのゲーム」が有名だと思いますが、

これまでたくさん読んだSFの中で、唯一泣いたのが「ソングマスター」です。


【あらすじ】

 ミカルは、一代で帝国を築き、銀河の頂点に立った。

 軍人であり、実務的な人間で、鋭い感性の持ち主、という訳ではなかったはずだが、

“魂の歌い手”ソングバードの歌声を聞いて、涙が出るほどの衝撃を受けた。


 その衝撃が忘れられず、「ソングハウス」を訪れるのだが、

「彼のためのソングバード」が見つかるまで、待てと言われる。

 ようやく、アンセットという少年が見つかった時、ミカルは老境に達していた・・・


【考えたこと】

 この作品を思い出して、考えたのは、

 なぜ泣いたのか? ではなくて、

「同じ入力(刺激)を受けて、今の自分は、同じように反応(涙)できるのだろうか??」

でした。


 読書は、「いつ読むか」にも左右される。


「宇宙の戦士」という作品があります。

私は、だいぶん年を取ってから(家庭が出来てから)読んだので、衝撃を受けつつも、心の底からは没入できない自分がいました。


「若い頃に読んだら、人生が変わったかも」と思いながら、

可塑性を失った自分の心と脳を、冷笑しました。


「ソングマスター」も、今読んだら、どうなるだろう・・・


          **


 また、手に入れました。

 すごく、気になっています。

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