家 3

 次に目を覚ますと、時刻は十六時を過ぎていた。相変わらず身体は重たくて、動く気になれなかった。

 そんな中、インターホンの音が微かに聞こえた。

 めんどくさい。そう思って再び目を閉じようとして思い至る。現在の時間は丁度学校が終わった時間だ。もしかすると、星谷さんが来てくれたのかもしれない。

 そう思うと、重たい身体もなんとか動かすことができた。

 断続的に鳴り響くインターホン。私の足も自然と早くなる。

 星谷さんが来たという確証もないのに、呆けた頭ではそれ以外のことを考えることもできず、ただ私は来てくれたのは星谷さんだと信じて階段を降りる。

 いつのまにかインターホンは聞こえなくなっていた。もしかして帰ってしまったのではないか。そんな恐ろしいことを考えてしまう。

 だけどそれは杞憂だったようで、やがて玄関扉を叩く音と、今一番聞きたかった声が聞こえた。

「天霧さん。大丈夫?」

 大丈夫だよ。そう答えたかったけど声が出ない。返事ができないと本当に星谷さんが帰ってしまう。

 帰らないで。そう祈りながら玄関へと辿り着く。

 扉を開くと、そこには安堵した表情の星谷さんがいた。

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