第26話

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種族グランドデビルコックローチ レベル8 所持SP11

名前:なし

称号:『容赦なき者』

HP153/153 MP93/93

筋力:106

耐久:83

俊敏:168

知力:82

魔力:97

器用:67

スキル:『しぶとい』『HP自動回復』『逃走2』『パワーファング5』『石化3』『鑑定2』『魔導4』『重力魔法4』『詠唱1』『ふんばる』『炎魔法1』

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おお!

さすがは6レベルアップ。

ステータスの伸びが尋常じゃないな。

『魔導』と『重力魔法』のレベルもいつの間にか上がってるし。

こうも頑張った分ちゃんと成長してくれると嬉しいよね。

テストで100点とったらお小遣いアップみたいな感覚でステータスが伸びてる気がする。


だがそういう考えはあまり良くないか。

これは人様からの評価ではなく自分の命を懸けているものだ。

他人からの評価が良くなるとかそういう問題では無い、死んだら全て終わりなのだ。

ステータスというのは言うならば勲章だ。

もっとありがたみを持とう。


って言っても自分が成長していくのが楽しいという気持ちは変わらないんですけどね!


さて、これからどうしようかな。

もちろんあの犬っころと虎を倒すのは当然なのだが...

その後どうするかが悩みどころなんだよな。

落ち着いてこの山の山頂から周りを見るとよくわかる。

今まで通ってきた森と茂みのゾーン、そしてここら一帯を囲むのは見渡す限り青い海。


そう、ここは絶海の孤島。

超遠くに大陸らしきものは見えるが、それ以外はポツポツとちっちゃな島があるだけ。

まーじで何も無い。

強いて言うならひとつでかめの氷山があるくらいだ。

結構ここら辺暑いんだけどな。

おそらく何かしらの原因があって凍っているのだろうが...

ま、検討もつかないな。


それにしても人里の「ひ」の字もないんだよな。

あったところでこのゴキブリボディでどうしろという感じでもあるが、もし神様とやらがいるのであればちょっくら抗議してやりたいくらいだ。

ゴキブリスタートな上に絶海の孤島。

いくらなんでも鬼畜モードすぎるだろ。


だが泣き喚いたって変わんないし、とりあえず犬と虎を倒したら大陸へと向かうかな。

氷山があるのも大陸への道中だ。

ついでによっていけばいいだろう。


どうやって大陸へ行くかは...


そんなもん後で考えればいっか。


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はい、ということで現在森の中。

本来沢山いるはずの魔物達も軒並みチビって近づかないエリアへと現在足を踏み込んでおります。


つまり虎狩りだ。


犬ではなく先に虎を倒そうとしているのには勿論理由がある。

1つ、多分だが単純に虎より犬の方が強い。

2つ、その上相性的にも犬より虎の方が倒しやすいと僕は睨んでいる。


僕はショートケーキのいちごは最後に残す派なんだ。

メインディッシュは最後にすべき。

まあ正直な話、犬の方はまだ少し相性的に不安があるんだよね。

別に戦っている所を見たことがある訳では無いが虎の方はおそらくスピード型。

そしてスピードの戦いとなれば間違いなく僕が有利だ。

前までは互角くらいだったかもしれないが、ディアブリテインで上がった分を加味すれば僕の圧勝だろう。

パワーとか耐久とか他の部分で負けてはいそうだが、その程度ならどうにでもなるはずだ。


お、そんなこんなで敵さんとご対面か。


そこに居たのは前に見た時とおなじ金色の虎。

しかし前とは違いその目は開いており、その黒い眼でこちらをじっと見ている。


今回はちゃんと起きてるんだ。

もしまた寝ているようだったら寝首をかいてやろうかとも思ってたのに。

これはちゃんと敵として認識されているってことかな?

寝ているように見えて意外とちゃんと周りを見ているんだな。


戦いにおいて自分の力量が相手にバレてしまっているというのはあまりいただけないが自分の力を隠す術を持たない今はしょうがないか。

ここは自分の実力が上がったと誇っておくとしよう。


それでは早速たたか...っとその前にあれか。

戦う前に相手の名前くらい知っておくのは礼儀よな。

じゃ、《鑑定》発動。


《トライガー》


なんか滅茶苦茶それっぽい名前だな。

仮に姿形を見たことがなかったとしても虎にはいきついそうだ。


では《トライガー》よ。

覚悟しな。


先手必勝!

『パワーファング』!


僕が動き出した瞬間、トライガーも戦意を解放しこちらに迫る。

それに対しこちらも最大限の速度で肉薄する。


一閃。


片や殺意に満ちる牙、片や万物を割くような爪。


その2つが今、激突した。




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