第21話
うへえ。
間近で見るとかなりの高さだなこれ...
これだけ高いとちょいと登るのが憂鬱になってきた。
だが僕はここで新たなレベル上げ要員を見つけなければ。
でもさあ。
ここから見える魔物も何体かいるんだけど全部鳥なんだよね。
鳥系の魔物は飛んで逃げられるから倒し方がなぁ...
あいつら飛べるからって高いところ陣取りやがって。
僕の羽はそこまでちゃんと飛べないし、せっせと歩いていくしかない。
はあ、頑張るかぁ。
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山に登り始めて数十分、僕は10匹程度の鳥を葬ることに成功していた。
うひょーい!
いやー、鳥って面倒だと思ってたけどやってみれば意外と簡単だったな!
『重力魔法』で地に落とす、それだけであいつら動けないんだわ。
そりゃあんな細い足じゃあ無理だわな。
あの足ほんとに筋肉ついてんのかってレベルの細さだもん。
『重力魔法』がクリティカルすぎてビビったわ。
これで鳥倒せない問題は解決だ。
ただ...
こいつら別にレベル上げ的には全然おいしくないんだよな。
最初の茂みのところ、森のゾーンの空や木の上、そしてこの山、こいつらどこにでもいたしこの山特有の強い魔物とかではないんだよな。
倒していても効率が悪い上『重力魔法』でMPも消費しちゃうからこれ以上倒すのは止めておくか。
あ、でも飯には丁度いいよな。
簡単に狩れて美味しそうだし。
前世では結構鶏肉好きだったんだよ。
今はまだ腹が減ってないけど、後で休憩する時の楽しみにしておこう。
でもそろそろ鳥以外の敵が出てきて欲しいんだけど...
お、遠くに2体の魔物が見えるな。
あれは...鹿か?
角らしき何かが滅茶苦茶尖ってる以外は鹿っぽいやつが2体。
カップルかなにかか?
魔物にカップルとかあるのか知らんけど。
まあいい、敵がなんだろうと容赦はしないのが僕のスタイル。
称号『容赦なき者』の名は飾りじゃないんだぜ。
さて、近くまで来たのはいいがどうやって倒そうか。
2体いるし奇襲をかけて最初の一撃で一体を倒し、残りの一体とはタイマン張る。
それでいいかな。
じゃあ早速...
っとその前に鑑定だけはしておこう。
『鑑定』発動!
《エッジディア》
エッジディアくん達ね。
それではエッジディアカップル(?)よ、いざ勝負。
ま、いざ勝負とか言っておいてバリバリ奇襲なんですけどね。
さあ行くぜ、
『パワーファング』!!!
突然な背後からの奇襲にエッジディア達は対応出来ず狙われた一体は為す術なく僕の『パワーファング』を喰らう。
おっし、首に直撃!
これで一体は倒せた。
さてもう一体も...
ってあぶね!?
突如横から飛んできた岩を僕は間一髪で避ける。
あいつ魔法使えたのか!?
そんだけ立派な角があるんだからそれ使えよ、なんで遠距離攻撃してくんだよ。
そんなことを言ってる間にまた新たな岩が生成され、僕に向かって放たれる。
またか!
目には目を、歯には歯を、魔法には魔法をだ!
『重力魔法』発動!
飛んできていた岩は僕の『重力魔法』によって軌道を変えられ地面に突き刺さる。
さあ今度はこっちの番だ。
それに今、お前の攻撃を見て新たなアイデアが湧いたところなんでね!
僕の新技、とくとご覧あれ!
僕は鹿のいる方向へと勢いよく跳躍する。
まだまだぁ!
さらに羽を使うことで自分の高度を今できる限界まで引き上げる。
ここからが本番だぜ!
『石化』発動!
その対象は僕。
スキルの効果で僕の体が高速で『石化』していく。
そして仕上げだ!
『重力魔法』発動!
その対象ももちろん僕。
空中で石化、そして重力を重くされた僕の体は鹿に向かって超高速で放たれる。
これが僕の新技。
「『
放たれた僕の体の速さに鹿は対応できず、僕は鹿の体を貫通する。
おっしゃあ!
これは間違えなくや...って、あ。
・・・
いってええええええええ!
痛い痛い痛いいたいいいいいい!
イーダダダダダダ!
まじで痛え!
着地した時のことを考えてなかった。
痛すぎて話になんねえわこの技!
《レベルが上がりました。》
おお、それは良かった。
体張ったかいがあったわ。
でも痛えもんは痛え!
ちょ、一旦避難避難。
いやー、まじで痛かった。
というか現在進行形で痛い。
この技はもっと耐久のステータスが上がるまでは封印だな。
HP結構削れたんじゃないの?
「ステータス、オープン。」
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種族グランドデビルコックローチ レベル2 所持SP15
名前:なし
称号:『容赦なき者』
HP84/123 MP41/75
筋力:76
耐久:59
俊敏:138
知力:58
魔力:73
器用:49
スキル:『しぶとい』『HP自動回復』『逃走2』『パワーファング5』『石化2』『鑑定2』『魔導3』『重力魔法3』『詠唱1』『ふんばる』
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うわ、なんとも言えないHPの減り方。
この痛みの割にはあんまり減ってないな。
MPの方がゴリゴリ減っている。
ステータスの伸びとしては筋力と耐久が今までよりもいい感じだな。
耐久が上がるのはさっきのこともあったしかなりナイスだ。
だが耐久が上がっても今の痛みが消えてくれる訳では無い。
と、とりあえず休憩がてら『HP自動回復』でHPが回復してくれるのを待とう...
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