第9話
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『催眠術1』『麻痺術1』『眩惑術1』『石化術1』『気配察知1』『気配遮断1』『言語理解1』『薬学1』『調合1』『精神攻撃耐性1』『物理攻撃耐性1』『魔法攻撃耐性1』『高温度耐性1』『低温度耐性1』・・・・・・・・・・・・
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どのスキルも強いように見える。
この中になにかないか。
この状況を打破できる一手が。
こんだけ取れるスキルがあるんだ、実質手札は無限大。
どうするべきか考えているこの間にも奴はこっちに攻撃しようと追随してくる。
また攻撃がくるな。
噛みつき攻撃か。
だがその攻撃はさっきも見た。
1度見たことのある攻撃なら避けるのは容易い。
というか噛みつき攻撃か。
さっきもそうだったから走ってる状況ではこの攻撃しかしてこないっぽいな。
ならばやりようはあるはず。
相手の噛みつきに合わせたカウンター、それも一撃で倒せるか何度でも通用しそうなものがベストだ。
単純な攻撃をカウンターで放ったところで僕の力的に絶対にあいつは倒せない。
ならどうする...?
あいつの弱点はどこだ?
目か?
確かに効くかもだけどあいつの噛みつき攻撃とまともにぶつかり合う形になる。
正面から勝負して噛みつき攻撃を避ける自信はないし、あいつの口は僕が丁度すっぽり入るくらいのサイズだ。まともに受けたら死ぬだろうから却下。
ならあいつの細い体はどうだ?
確かにあいつの体は長くてでかいかもだけど太さはあまりない。
首を切断出来れば倒すことも可能だろう。
だがそんなことが出来たら苦労はしない。
僕の貧弱な力じゃ皮の表面にかすり傷をつけるのが精一杯だろう。
だからこの弱点も却下...
本当か?
別に細いという弱点をつく上で首を切断する以外の方法がないわけでは無いだろう。
そうだ。
あいつがしてくるのは噛みつき攻撃。
真正面からぶつかり合ったらまず避けれない。
だけど別に絶対に避けなければいけないというわけでは無い。
それだ。そこつけばいい。
やっとこの蛇やろうに一泡吹かせる方法を思いついた。
もうこれしかないだろう。
僕は迷わずSPを2消費し1つのスキルを取る。
《2SPをし・・・》
イエス!!
スキルを選択する時間の内にもあいつの攻撃は止まらない。
再度ヘビの噛みつき攻撃が僕に向かって放たれる。
《スキル『せ・・・》
さあ行くぜ蛇やろう!
僕は迫り来る蛇の攻撃を避けようとせず真正面から突っ込んでいく。
そして奴と僕がついにぶつかり合うというところで僕は地面を蹴り奴の空いた口に頭から突っ込む。
僕が奴の口の中に入り、奴の牙が僕を噛み砕かんとする時、僕は心の中で先程取ったばかりのスキルを叫ぶ。
「スキル発動!!せきかああああああああああああ!!!!!!」
僕はそのスキルを相手にではなく自分に使う。
自分の体に掛けるのだから抵抗もクソもない。
発動した瞬間に僕の体が石化する。
石となった僕の体は飛んだ時の慣性で蛇の口の奥の方へと動き続ける。
そして蛇の"気管"があるであろう場所あたりまで僕の体が突っ込んでいき、奴の体内で突っかかったところで止まる。
そう、僕が狙ったのは相手の酸素欠乏による死亡。
そのために僕がさっき取得し使用したスキルが『石化術』だ。
『石化術1』:使用した対象を石化させる。対象の抵抗の大きさによって効果は変わり、一定の力の差がある場合効果がない。石化した対象を石化させ続けるのにはMPを使用する。
僕はこのスキルを今回自分に対して使用した。
普通なら身動きがとれなくなる上、体が石化して多少固くなるとはいえ所詮は石、石を砕くことができる威力の攻撃なら簡単に砕くことができるのでデバフにしかならない。
今回の蛇だって僕に対してして使ってきた牙や尾での攻撃なら簡単に石となった僕を粉砕することができるだろう。
だがしかし、それが体内でそれも喉にあたる部分なら話は別だ。
自分の喉に詰まってしまった大きい石を取り除くことは非常に難しく、手足すらない蛇の体では不可能だ。
石となった僕が喉に詰まっているせいで空気を吸えなくなり、苦しがっているのであろう蛇がもがいているのが音と体に伝わってくる衝撃で分かる。
あと少しだ。
もうこのままいくしかない。
僕は残っているありったけのMPを全て自分の石化を維持するのへと注ぎ込む。
そこからは僕と蛇の生死を賭けた、実際はそこまで長くないが当事者の僕と蛇にとっては永遠とも言える戦いが始まった。
僕は相手の酸素欠乏による死を待ち続け、
相手は僕の石化が解けて自分の喉につっかかっているなにかが無くなることを待ち続けている。
そんな短くも長い勝負の決着は1つの音声によって勝者へと伝わる。
《レベルが上がりました。》
終わった、のか...
《レベルが上がりました。》
おお。
《レベルが上がりました。》
えー。
疲れすぎによる幻聴だろうか。
音が三重になっているように聞こえる。
それにもう限界だ。
意識を保つことすら儘ならない。
僕は最後の力を振り絞り蛇の体から脱出する。
丁度蛇の口から抜け出すことが出来た時、
疲れによる限界を迎え僕の意識はプツンと切れた。
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