第7話
zzz....
ゴソゴソッ
っは。
周りからする何かの物音で目が覚める。
何事かと目を開けると目の前には1匹のネズミがいた。
あっ、おはようございます。
おはようございます?
何故僕はネズミに向かって挨拶してるんだ?
まあいい、とりあえずお布団からでるところから始めるとしよう。
お布団と言っても土のだけど。
えーと、昨日は転生してなんやかんやという滅茶苦茶に波乱万丈な1日を送って、疲れ果ててこの茂みを寝床にして寝たんだったよな。
一旦自分の体を確認しておこう。
カサカサッ
うん、間違いない。
この感覚はゴキブリボディのものだ。
それまではいいんだけどこの目の前にいるネズミはなんだ?
寝込みを襲ってないところを見ると僕に対して害意があってここにいる訳では無いだろう。
というか、僕が穴から出てからびっくりしてるみたいで動きが固まってるんだけどこのネズミ。
これはあれか。土の色と同化している僕に気づかずここら辺ウヨウヨしてましたってパターンか。
うーん、まあいいや。
よし、君には今日の僕の朝ごはんという役割を与えよう。
僕に気づかず僕の寝床に入ってきた罪だ。
ありがたーく食われるがいい!
僕は未だ固まっているネズミの頭に向かってパワーファングを使い齧り付く。
お、今回は頭だったからか一発で絶命したっぽいな。
やっぱり当たった位置とかもダメージに影響してくるのか。
《レベルが上がりました。》
まじか!
これはラッキーだ。
このネズミ朝ごはんになるだけじゃなくてレベルも上げてくれるなんてなんて役に立つやつなんだ。
お前の肉はちょーう感謝しながら食べるとしよう。
レベルに関しては昨日寝床探し中に2匹くらいネズミを倒したりしたからその分もあるのだろうけど、レベルが上がったのは普通に嬉しい。
せっかく上がったんだし確認しますか〜。
「ステータス、オープン。」
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種族ランドコックローチ レベル4 所持SP1
名前:なし
称号:『容赦なき者』
HP32/32 MP7/8
筋力:16
耐久:10
俊敏:35
知力:5
魔力:4
器用:6
スキル:『しぶとい』『HP自動回復』『逃走1』『パワーファング1』
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今までと変わらない伸び方だな。
筋力に関してはSP使って一気にあげたりしたからもしかしたらもっと増えたりーとかも期待したのだけれど世の中そう都合良くはいかないかー。
それとMPが1減っているな。
今までMPが減っていたことなんてなかったのだけれど。
これは『パワーファング』を使うのにMPが必要ということかな?
1回で1MP。今の僕のMP量的に非常に助かるコスパの良さなのだけれどそれでも合計8回しか打てない。
これでは『パワーファング』に頼りっぱなしというのもなかなか難しい。
戦い方については要改善だな。
戦い方の開拓とか他にも各ステータスを上げるとか色々したいことはあるけれど今回のSPについては一旦温存しておこうと思う。
実は1つ、これは取っておきたいっていうスキルがあるからね。
それを取るために今は我慢だ。
まあ途中でスキルとかをガンガンとって自分を強化していった方がSP貯まるのも早いと思ったら取っちゃうかもだけど。
ステータスの確認もこんなところかな。
じゃあ朝ごはんをありがた〜くいただいて、レベル上げに勤しむとするかー!
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パワーファング!
よし、これで5体目ってところだな。
今日の朝からレベルを上げるために狩りに出て、今5体目の敵を倒したところだ。
ネズミが2匹と変なカエルが3匹だ。
カエルは最初に戦った時いきなり舌で攻撃してきてビビっったんだけど、『パワーファング』で舌噛みちぎればワンパンだということに気づいてからは一瞬だった。
相手の舌攻撃に合わせて『パワーファング』で舌に噛み付く。それだけの単純作業。
あ、一応言っておくと全くもってKissとかじゃないからね!?
ここの線引きは絶対に大事だ。
マウスto舌はさすがにKissでは無いはずだ。
僕のメンタルのためにもここはちゃんと定義しておこう。
ゲコゲコッ
お、噂をすれば何とやら。
これはこれはカエルさんじゃないですか〜。
しかも走り続けているのかちょっと疲れているみたいだ。
こちらに気づいたカエルが舌を出して攻撃してくる。
ふーん、そんな攻撃僕には自分から弱点を突き出しているようにしか見えないぜ!
僕は伸びてきたカエルの舌に向かって『パワーファング』を使い、そのまま噛みちぎる。
僕によって舌を噛みちぎられたカエルはそのまま絶命した。
《レベルが上がりました。》
おお!
レベルも上がったぞ!
このカエルたち簡単に倒せるしレベル上げにも役立つから最高だな!
一応スキルを使えるかMPの量には気を配らなければだけどここまで簡単に倒せる敵はそうそういないだろう。
にしてもさっきのカエルなにかに焦っているようだったな。
まるで何かから逃げていたかのような...
ゴンッ
え?
何か後ろから大きな音がしたと思った瞬間、
僕の世界は反転した。
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