第6話 繰り返す結末に希望の王女様は何を思うか……。

『クラウディア……。私を殺してくれて……、ありがとう……。』


またこの結末……。

もう何回来たのだろうか……。

一度目は私が……。

二度目は毒殺……。

三度目は公開処刑……。

四度目は革命……。

五度目は侵略……。

六度目は邪神の生贄に……。


その度に私はフィーア様に「ありがとう。」と言われ続けられる……。

誰よりもこの国を想う王女様が、自分の犠牲を前提に、いつも行動している。


そして私は正義の執行者として王女様を裁き続ける。

王女様はいつも優しい顔で最後を受け入れる。

何度も何度も何度も。


かつてとある騎士団長は「未来を変えられる。」と言った。

私もそれを信じた。

だから変えた。

何度も。

なのに。

なんでフィーア王女様の未来だけは変わらない。

何度繰り返しても。

あの人は……。




――――――――――



ついに奇跡は起こった。

この前までは学院入学前だったのに、今回は幼い子どもから始まった。


「おはよう。ディア。」


私のお母さん……。

正確にはフィーア王女様の生みの親であり私の育て親。

そしてこのややこしい関係をつくった全ての元凶……。

だけれど。

私はあなたを殺せない。

私の中にある正義がそれを悪と認めないから……。


それから数刻が経って来客が来た。

どうやら王宮のものらしい。

思ってたよりも早い。

もっと遅くなると思ってたけれど。


王家の紋章が着いた馬車が私の家の窓から見える。

ある意味見慣れた馬車……。

なのに、どうしてあなたがそこにいるの?。

どうしてここだと知っているの?。


そこに現れたのは黒髪を左側にまとめて、黒いドレスを纏った私と同じぐらいの少女……。

忘れるはずがないその顔。

忘れたくないその姿。


どうしてここに来たの?。

フィーア王女様……。

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