第5話 記録番号004 各国の奇怪現象③
3 ロサンゼルスの大災害
第一の奇怪現象であるロシア・ウクライナ戦争終結事変とほぼ同時時刻、ロサンゼルスでは中国の台湾侵攻の影響により、チャイニーズマフィアが暴れていた。
「おいおいLAの警察さんよぉ〜、ちょっと俺たちのこと舐めすぎなんじゃね?」
「いっつも威張ってる割には、役立たず過ぎねぇか?」
「ほんとほんと、それに比べて市民は良い表情してんね〜。」
目についた一般市民を次々と虐殺していって、警察も出動したもののマシンガンやライフルなど武器は向こうの方が優れていたため、どうにもならなかった。
「おい、その辺にしとけ。特殊部隊が出動して来たらひとたまりない。」
「そう言いながら、アンタが一番殺してるだろ。」
「仕方ない、何も抵抗の手段がない向こうが悪い。」
「ははwww、ひでぇなアンタはwww。」
チャイニーズマフィアは何も悪気を感じずたくさんの人々の命を鉛玉によって奪われていき、屍の山と鮮血の海が出来上がっていった。
一般市民は人質に取られて、鼻がもげるような匂いと目の前の光景の情景、そして恐怖から来た吐き気を必死にこらえていた。
「まぁでも、もうこの辺りの人間は逃げたり殺したりでほとんどいないから、そろそろ帰りましょうか。」
「………いや、待て。まだいる。」
「ええ?…………あ、ほんとだ。」
指を刺された先に、この地獄絵図とは思えないほど優雅にお茶を嗜んでいた女性がいた。しかしその体はガッチリしており、髪を短くすれば男と間違えそうなほどガタイが良かった。
「何だ…ブスじゃん。しかも体ガチガチすぎ、あんなん抱けねーわ。」
「お前は相変わらず下の方に頭がついてるな。」
「うるせぇ。…はぁ、期待して損した。さっさと死ね。」
興醒めした様子で銃を構えて、遠くにいる女性を殺そうとした…‥が、突然下の方に衝撃を感じ、首を下ろすと…ないのだ。
「あっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?イデェェェェェェェェェェェ!!!!!!」
腰から膝までの部分が。
「おっおい!?何があった!?」
「あああっうっあ“あ”あ“あ”あ“あ”ああ“ああのあまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
突然起きた仲間の大惨事にもう一人の仲間は困惑していた。しかし惨劇はまだ終わらなかった。
「君、うるさい。」 グチャ
嫌な音がした。その音の正体は目の前に先程の女性が現れて、仲間の頭を踏み潰した時の音だった。咄嗟に他の仲間たちが銃を向けて、一斉射撃した。
ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!!
銃弾の雨が女性を撃ち抜こうとしたが、かすり傷一つ負わず涼しい顔しながらそのまま立ったままでいた。
「いやいや、いきなり女子に一斉射撃って………いや、これマッサージにいいな。前言撤回、もっと撃ってくれ。」
むしろおかわりまで要求して来た目の前の人の皮を被った化け物にマフィア達は攻撃をやめて号泣しながら逃げていった。しかし、相手はあまりにも悪すぎた。
「あーちょっとちょっと待ってよ〜、えい。」
女性は足に力を込めて思いっきり地面に振り下ろした。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!!!
踏んだ場所を中心に半径百キロメートル以内に地割れが発生し地面が崩れて、建物も、植物も、一般市民も、マフィアも関係なく奈落へと落ちてしまった。一方女性自身も巻き込まれてしまったものの、何も無かったように出て来た。
「………あ、自己紹介と伝言伝え忘れちゃった。『猛剛天将』サオリが聞いて呆れるって後でネチネチ言われちゃうよ…。」
女性こと、サオリは地震が引き起こした被害なんて目もくれず自己紹介を忘れた事で項垂れていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます