第14話 お姫様になっちゃう?

 そして、壱たちはマクベスバーガーへと向かった。

 マクベスバーガーに着くとピノがとびっきりの笑顔で店員に言った。


「お子様バーガーください!」


 すると店員が笑顔で返す。


「店内でお召し上がられるでしょうか?

 それともお持ち帰りでしょうか?」


 すると梨麻が言った。


「お姉さんをテイクアウトで!」


「え?」


 店員が戸惑っている。


「あ、冗談です。

 美智子さん、梨麻くん。

 今日は、色々お世話になったからマクベス奢るよ」


「あ、本当ですか?

 嬉しいです」


 壱の提案に美知子が、嬉しそうに笑う。


「あざっす!

 じゃ、俺はマクベス期間限定牛ヒレバーガーセットで!」


「では、私はアボガドバーガーセットでお願いします」


「んー

 僕は、なににしようかなー」


 壱はそう言ってパネルを見る。

 するとピノの方を見る。

 ピノが2種類あるお姫さま変身セットのどちらにしようか悩んでいた。

 それを見た壱は、小さく笑う。


「じゃ、僕もお子様バーガーで……」


「かしこまりました」


 店員が小さく笑う。

 それを見た梨麻も笑う。


「壱さん、やっさしー」


「社長って案外子どもに甘いですね」


 美知子もそう言って苦笑いを浮かべる。


「もともと僕は、こういう小さい子を護りたくて警備の仕事をはじめたんだ。

 だから、自然と甘くなるのかもしれないね」


「ふーん」


 梨麻が、小さくうなずく。


「お会計ですが……

 お子様バーガーおふたつで3000円、期間限定牛ヒレバーガーセットがおひとつで4000円、アボガドバーガーセット780円。

 合計、7780円になります」


「あ、はい」


 壱は、うなずくと会計を済ませた。


「お姫さま変身セットふたつ!

 うれしいなー」


 ピノが小さく笑う。

 ピノがお姫さま変身セットの袋を持ってスキップする。


「ピノ、店の中でスキップしたらめーだよ!」


「はーい」


 ピノが、スキップを止め静かに歩く。

 そして、壱が広い席を見つけそこに座った。

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