大極殿炎上
帝は、二間の戸を開けた。
「兄君」
「すぐに気付かれてしまったか」
帝は、惟喬に向かい合って、座った。
惟喬が
「
「知っていらっしゃるのですね」
惟喬が言いかけると、弟は問い返した。
惟喬の笑みが消えた。
「すまない。私の
「
「もう遅いのです」
帝が言うと、惟喬は顔を上げ、両の手を伸ばし、弟の手を
「遅いことなどない。鬼は、紀氏が静める。安心しなさい」
俺とは、何も似ていない。
「
「
惟喬は、弟の手を握り、名を呼ぶ。
帝の冷たい手は、惟喬は
「兄君…私が、我が子を守る
惟喬は、閉められた戸に向かい、経を読み始めた。
経を読む声に
その夜、
父が、
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