8th Dead 『死を超えし者"回顧し激昂す"』
俺の名前は、北川ナガレ。
『……早速使いこなしてるようだな』
「ええ。この武器、気に入りましたわ。一家に人数分欲しいくらいには」
『ほーぅ……』
図らずも助けて行動を共にしてる"戦闘型悪役令嬢"を自称する女"ヨランテ・中略・カインドネス"が予想以上に面白いんで、どこぞの落花生ばっか食ってる白人のガキばりに"わくわく"が止まらなくなってるゾンビ狩りの化け物だ。
「どっどりあああああああああああああああっ!」
『『『『ザァボオォォォォォォォォン!?』』』』
『フリィ~ザァ~ってか』
さて、そんなヨランテが"一家に人数分欲しいほどのお気に入り"とまで絶賛してる武器の名は"
「ハッ! フンッ! セヤアッ!」
『ヴァッ!?』『ヴエッ!?』『ヴボァッ!?』
「奥義『どうせすぐやられるんだから断末魔の叫びくらい個性的に纏めなさいよブラスター』!」
『『『『『ンナムチャナアアアアア!?』』』』』
その機能は至ってシンプル。"掌から光線を放てるようになる"――ただ、それだけ。
光線は一直線で威力は据え置き。手首の内側をくっつけながら撃つと光線同士が重なり合って威力が倍増する特徴があり、掌や指の角度でもって光線の射程や太さなんかを微妙に調節できたりもするが、まあ
『シぇあ! そゥら! ハっ! でりヤァ!』
『ヴェゥ!?』『ブボッ!』『グゲエエッ!?』『『グゴガッ!?』』
『そこだぁ!』
『『『ヴァエウウウウ!?』』』
『逃がすかァっ!』
『『『『『ヴエエアアアア!?』』』』』
となりゃ、俺も負けてはいられねえ。気合を入れて頑張らねえと……などと独白すりゃあ、読解力のねえ
『ヴゥウゥゥウ……!』『ヴァァァァ……!』
『……話をしよう』
俺はただ"頑張ろう"って決意しただけだ。
『ガアアアア!』『グアアアア!』
『若かりし俺の、
『グガギッ!?』『グギョエ!?』
他意はねえ。
『グゲバアア!?』『ブギュオゲエエッ!?』
『俺の通ってた中学には、剣道部があってよぉ……』
"新入りの小娘に負けてちゃ立場がねえ"なんて、そんな風には考えちゃいねえんだ。
『ヴエエエアア!』『グオオオ!』『ゴガアアアッ!』
『ド田舎中学の運動部だからか、なんでか剣道部は不良じみたカスどもが多くてなあ』
『ヴァエゲ!?』『グギゲエガアッ!?』『グガギャアッ!』
『もしかしたらまともな部員も居たかもしれねえ』
『『『ヴォゲエエエエエ!?』』』
と言って、こんな風に
何故ならば……
『……いやむしろ、きっと大多数はまともだったハズだ。
あるいは、
『ギャギエエエ!』『グギョゲエエ!』『グギャギャギギイーッ!』
『だが今、この腐りもしねえほど死にきった脳味噌で思い出せる奴は……そこまで強く記憶に残ってる
『ヴォゲ!?』『グギイ!?』『ゴボ!?』
何故ならば、俺にとって彼女は"輝かしく偉大な存在"であって"経緯を払うべき相手"だからだ。
『……覚えてるのは、四人。見るからにガラの悪い青山、傍若無人なジャガイモ頭の長野原、面構えからして性格の悪さが滲み出てた立花三姉妹の確か真ん中だかのヤツ……』
明らかな確証はない。だが俺はそうだと確信しているし、断言できる。
少なくとも見下していい相手じゃねえのは確かだと、何なら首を垂れる価値さえある相手かもしれねえと、俺はそう思っている。
『ヴァギャアアアアアア!』
『……あのクソ野郎。中学生活三年間、悉くこの俺を不愉快にさせ続けてきたあの"二足歩行型粗大生ゴミ"……』
『ゴゲッ!?』
『服部ィィッ!』
『ブバビャアアアッ!?』
そうだ。彼女は"善い奴"なんだ。きっとそうだ。悪役令嬢などと名乗っちゃいるが、てめえの信念の
まま覚悟を以て戦う"高潔で誇り高き悪"なんだ。俺なんかとは違うんだ。
『ヴアアアアア――ガッ!?』
『仮にそれが俺の幻想だとしても……単なる無知な死人の思い込みに過ぎねえとしても!』
『グワッ、ガッ、グッ、ゴガガァッ!?』
『少なくともあの
『グビゥブ!? ジュ、グゥゥゥゥゥゥ……』
『……おっと』
なんてこった、勢い余ってわざわざ捕まえといた屍人の首を握り潰しちまったじゃねえか。
ワンチャン駆動中枢が腹側にあれば首がもげても何とかなるが……残念なことに奴の中枢は頭にあったらしくピクリとも動かない。
(ただ切り刻むだけ、吹き飛ばすだけってのも味気ねえし、ここらで何かしら新しい遊び方を模索したかったんだけどなァ~……)
ま、過ぎたことを悔いてもしょうがねえ。他の武器も届いたことだし、気持ち切り替えて進むしかねぇわな。
『さあ、もっと楽しませてくれよ……? 俺ァまだまだ刈り足りねえぞぉ……っっ!』
『『『『『『『『『『ヴアアアアアアアアアアッ!』』』』』』』』』』
『おっしゃあ……来やがれ、"死に損ないども"があっ!』
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