9th Dead 『"代替試作品"に苦戦する』
俺の名前は、北川ナガレ。
『リィィィアァァァジュウウウウウ!』
『ヴァックバッヅジロオオオオオオ!』
『必殺「先進国庶民が
『『ゼェイロォォォォンッ!』』
夜更けも過ぎた廃村で、劣等ゾンビこと
さて、突然だが今現在俺は地味にめんどくさいある悩みを抱えている。
その悩みってのはまあ、要するに……
[Warning! Warning!
The blade has deteriorated.
Replace the blade immediately.]
(和訳:警告!警告!刃が劣化しています。ただちに刃を交換して下さい。)
『はァ!? もうダメんなっちまったってのかよ!
諸事情により使わざるを得ない武器が今一扱いに困る代物だ、ってなヤツで。
「ォわッタァッ!」
『アヴェッシ!?』『フィゼッブ!?』『ダヅァバ!?』
「ちょっと北川様、真面目な話その武器大丈夫ですの? もうこれで十一回目ですわよ?」
『ああ、心配すんなお嬢。あと少し、充電が終わるまでの辛抱だ』
『タヴィオガバアアアアン!』
『必殺「寄んなショット」』
『ヤッケクソォォ!?』
挙句、ヨランテにまで心配かけてんだから笑えねえ。
『全くツイてねえよなァ~……まさか残りの在庫が軒並み出払い中かメンテ中で、残ってンのが尖った性能の試作品だけだなんてよォ』
『ブッブブベエエエ!』
『うるせぇ』
『ガバブベエエッ!?』
そもそもの発端は、ほんの三~四十分前だったか……唐突にプラズマ・ノダチの様子がおかしくなっちまった。
(あれ? なんかおかしいぞオイ?)
「北川様、なんかそのビーム・カタナみたいなの、ちょっと変じゃありませんこと? まるで切れかけの蛍光灯みたいですわ」
ヨランテの指摘通り、起動中は絶え間なく光り続けているのが基本なプラズマ・ノダチの刀身は、切れかかった蛍光灯よろしくチカチカと不規則に点滅し続け……程なくして光は消え刀身も引っ込んだっきり、ウンともスンとも言わなくなっちまった。
今までこんなことはなかったハズだが……そう思った俺は屍人どもを撃退しつつ、武器の開発製造とメンテを担当してる仲間の一人、エンジニアの早川さんに連絡を取った。
≪北川くん、それはバッテリ切れだよ≫
『バッテリ切れ、ですかァ……?』
思わず間抜けな声が出たよな。だって早川さんの電動武器と言やあ充電は長持ちだし予備電力はおろか、不測の緊急事態にも対応できるよう発電機能さえ備えてるのがデフォなもんで、バッテリ切れなんて今まで有り得なかったんだから。
≪ごめんよ北川くん。実は言いそびれてたんだがプラズマ・ノダチは比較的初期の作品でね、サイズや重量の都合もあって緊急用の発電機能をオミットせざるを得なかったんだ≫
『でしたか……で、その状態のノダチを再使用できるようになるってえと……』
≪まあ充電しなきゃだね。専用の充電器と代わりの近接武器を空輸するから何とかそれで持ちこたえてくれないかい?≫
『わかりました。すんませんが宜しく頼みます……』
てなワケで専用の充電器と代替武器が届いたんだが……
「ゥあタッ! ふぉアッタぁ!」
『ヴァガ!?』『ヴァラッバ!?』
『ウッソだろオイ……』
最悪な出来事が三つほどあった。
一つ、ノダチの充電は結構遅く満タンになるには一時間近くかかる。
二つ、届いた武器が扱いづらいことに定評のある試作品。
三つ、未だ使える
≪すまないが、今そちらに送れる武器がそれしかなくて……≫
『ああいえ、そう仰らず。なんとかしてみますよ。俺もそんな弱かないですし、心強い味方もいるんでね』
「づァァーたたたたたたタタタッ! ドォワッタァッ! 奥義『北斗! の名場面と称してアニメ一期の無想転生とラオウお兄様ご帰天シーンばかり流すテレビ業界は何も分かっていない拳』ンンッ!」
『ゾレッバ!?』『ゾダッガァ!』『ジョボガ!』『ザックレ!?』
さて、そんじゃこの辺で俺をそうまで悩ませる件の武器ってのを解説……
『ヴアアアアア!』
「北川様、危ないっ! 奥義『武論尊御大・原哲夫御大ご両名お気に入りであるジャギお兄様を公の媒体で悪く言っていいのはケンシロウ様役の神谷明御大の他に無し拳』!」
『ギョグダアアアアアン!?』
『おおー、悪いなお嬢。助かったぜ。お陰でそろそろ充電も終わりそうだ』
……する前に、今現在絶賛活躍中のヨランテが使ってる武器について解説していくのがいいだろう。
『てワケで、今回はここまでだ』
『メタハツゲンスナァァァァ!』
『うるせぇ黙れてめーがメタ発言すんじゃねぇカス』
『ヒドォォォォォ!?』
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