ー恋人になれた朝ー4

 それに司の場合のは最初に現代世界に来て利之の家に来てからは全く外には出てなかったのだから、世間の事が分かる筈がないのかもしれない。


 もし利之のようにパソコンやスマホを扱えるなら、それで調べ物が出来たのかもしれないのだが、司は昔の人間なのだから、全くそんな考えすらなかったのであろう。 そこは現代の子供とは違う所でもある。 現代の子供というのは、もう身近にスマホやパソコンという物があって気になる事があれば調べる事が出来てしまっているのだから。 それだけ明治時代と現代では文化という物は変わって来ている。


 なんというのか現代と昔では変わって来ている物に関しては本当に変わって来ているのだが、変わって無い物に関しては本当に変化がないようにも思える。 食文化でも昔からある食べ物と言えば、沢庵とか先人の知恵が詰まった食文化みたいなのは残っているようにも思えるのだが、その中で消えていく物もあれば新しくなっていく物があるという事だろう。


 そうやって司は意味の分からないままテレビを見ていると利之がお風呂から上がって来る。


 司はそんな利之の姿を目で追っていると今度、利之はクローゼットの方へと向かったようだ。


 確かに出掛けると言っていたのだから、洋服に着替えるんだと思っていたのだが、司が気付いた時にはなんかこういつもの利之には見えなかったようで、目を見開きながら利之の事を見上げる。


「え? り、利之……? その格好って? ん? 利之は? 利之は何処に?!」


 と若干パニック状態の司。

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