ー告白ー10ー1

 とりあえず利之は自分を落ち着かせる為にひと呼吸する。 そして再び司の事を見つめ改まってというのか今度はちゃんと司の方に体と顔を向き直し、


「僕は司に会った時から、なんかこう好きになったっていうのか……なにかこう電気みたいなのが体中を巡ったっていうのか……そんな感じだったんだ……だから、自分的には司っていうのは運命の人って思ってしまったんだよね。 だから、僕は司の事をマネージャーに嘘まで吐いて連れて来てしまったって訳だ。 まぁ、さっきも言ったけど、半分は優しさでもあったんだけどね。 だけど、半分はそういう事だったからさ……だから司の事を自分の家に連れて来たって訳。 昔の人はどうなんだろ? こう運命の人に出会うと電流みたいなのが体の中を巡らないもんなのかな? 僕はその電流みたいなのが体の中を巡ったっていうのもあるから司をこの家に連れて来たっていうのもあるんだけどな。 そうだから僕は今本当に司の事が好き。 この前も言ったけど、司のを処理するって事、普通男の人にはやらない事なんだからね。 それが、例え処理の仕方を知らないっていう人でもさ。 でも、僕は司の事が好きになって、そういう事も出来るって思ったからやった訳だしね。 もし司が僕にそれ以上の事を求めるっていうんだったら、僕はそれはそれで構わないのだけど……それ以上の事となると、僕の方がもう抑えが効かなくなってくるんだよ。 それなら、ちゃんと司に告白してからにするってね。 それに、昔の人はこういう事、結婚しないと出来なかった事でしょう? だから、僕的にはこういう事っていうのはさ、せめて、告白して恋人になった人とって決めてるんだ。 そうそういう事ってある意味、大事じゃない? 告白する前にスるって人はいるのかもしれないのだけど、それは、何だか相手の事を想ってない事っていうのかな? だから、僕的にはこういう事をする相手っていうのは恋人以上の人とって決めてるんだよね。 まぁ、長々と話したけど、要はそういう事だから……。 僕は司の事が好き。 だから、一緒にいたいと思ったから連れて来た。 でも、大事な人だから恋人同士になって、司とはあのテレビ番組なような関係になりたいって事で分かってもらえたかな?」


 その利之の言葉に司は顔を俯ける。 流石の司も利之からの告白に考えてくれているという事だろう。


 告白というのは言う方にも勇気がいる事だが、答える方も勇気がいる事だ。 だから司の方も悩んでくれているという事になるのかもしれない。

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