7ー5
利之が明治時代の硬貨の金額をネットで調べていると、今のお金の価値とは全く異なる事が分かった。 いや確かに価値というのは違うのは分かってはいるのだが、今まで全くもってそんな事に興味がなかったのだから分かったという事なのかもしれない。
明治時代のお金というのは、厘、銭、円がメインとなってくる。 公務員の初任給が五十円の時代で、あんぱんが一銭で買える時代。 一銭は今で言ったら二百円の価値だそうだ。 その一銭より安いのは厘という事になる。
「あー、そういう事なんだね。 この時代に『円』ていうのも出来たらしいし、成る程……」
そう利之はタブレットで検索し調べると納得したようで独り言を漏らす。
今度、利之は明治時代の古銭が今現代においてリサイクルショップに持って行った時の価値を調べ始める。
「……って、こんなに種類はあるの!?」
と利之が驚くのは無理もないだろう。 確かにさっき調べた時に厘、銭、円があるとは分かっていたのだが、更に分類されているようで、銅、銀、金となっていた。 また、それによって現代での価値も変わって来るらしい。 勿論、銅が付く物については安く金が付いている物に関してはは高いようだ。
さっき手にしたお金を更に調べてみると、どうやら今利之が手にしているのは銀貨という物らしい。 それには一円と『円』と言う字は昔の字で書かれていたのだが。 そう今で言ったら一円では何も買えない時代だが、明治時代ではわりと価値があるお金だったのであろう。 更に一円では新と旧では違うっていうのも分かったが今リサイクルショップに売ると金額的には同じのようだ。 まぁ、新と旧の違いなのだから、そうなのであろう。
利之はタブレット画面を見ながら今持っているお金とを交互で見る。 どうやら今持っているお金というのは今の時代でリサイクルショップに持って行くとかなり高価なお金らしい事が分かる。 なんと、その額は十万から約五十万の価値があるらしい。 そうたったこの金貨一枚で現代のお金にするとそんな価値があるのだから。
「司……。 司が持ってきたお金さぁ、今の時代だとかなり価値があるみたいなんだけど……。 まぁ、今で言ったらパソコンが買えちゃう位っていうのかな? まぁ、バイク買える位はあるのかな? あ、それじゃあ、司には価値が分からないか。 そこはちょっと分からないんだけどさぁ、まぁ、でも、凄い価値はあるっていうのは確かだよ。 それに、何百年の時を経てタンスの奥とかに入ってて錆びたりはしてないのだから、上手くするとかなりの価値があると思うんだけどなぁ。 司はさぁ、からくり職人な訳なんでしょう? ならさ、このお金をリサイクルショップに持って行って、現代のお金にする。 そして、そのお金で現代の物を買って何か発明してみたらどう? そしたら、タイムマシンみたいなのが作れるって事になるんでしょう?」
そう利之は司に提案したようだ。
「あ! そうか! 確かにそれだったら、利之にお金に関して負担掛けなくて済む訳だから、私の方はからくりの方に没頭出来るって訳だ」
「まぁ、そういう事にもなるよねぇ。 まぁ、別に僕の方はお金に関しては苦労はしてないから、そこは気にしてないからいいんだけどね」
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