ー家電に驚く!?2ー1
そこに再びリアクションというのか、本当にビックリしたような表情で目を丸くしている司。 そこに笑いそうになっている利之。
今まで外だったから利之の方も大袈裟なリアクションは出来なかったものの、もう誰も見てない家の中なのだから、そんなリアクションをしている司に、
「本当に司は過去の人なのかい?」
そう靴を脱ぎながら質問する。
「あ、そうそう……司は草履みたいなの履いてるみたいだから、とりあえず、それを脱いで部屋に上がってくれないかな? 流石に昔の時代でも家に入る時位は履物を脱いだだろ?」
利之の言葉に司の方は目を丸くしながらも、二回程頭を頷かせて履いていた草履を脱ぎ利之の真似をしながらなのか、そこに脱いだ草履を置くのだった。
利之の玄関というのはピカピカの石、要は大理石で出来ている玄関だからなのか、その石の上では司が履いている草履というのは違和感というのか合わない感じがする。 いや見ようによってはその玄関では飾り物のように見えてインテリア風に見えていいのかもしれない。
とりあえず利之は司に納得すると、
「ゴメン……先に上がらせてくれないかな? きっと、司じゃあ色々と分からないだろうしね。 これが、もし彼女とかなら先に奥行ってとかって言えるんだけど、何も知らないんじゃあ僕が先に行った方がいいと思ったから」
そう利之は奥の部屋へと繋がる廊下で言うと先に奥へと向かい、司の事を手招きで呼ぶと部屋へと通すのだ。
奥にある部屋へと司が来ると、司の反応がまたまた面白い。 面白いっていうのは失礼なのだけど、それでも面白くて笑いそうになってしまう。 だってさっきからずっと何に対しても目を丸くしてみているからだ。 そして窓際まで走って行くとその窓に張り付くようにして階下を眺め始める。
利之の方は部屋のど真ん中にあるソファへと鞄とコートを引っ掛けそのままソファへと腰を下ろすのだ。 そして部屋にある大きな壁掛けのテレビのスイッチを入れる。 そのテレビから流れてくる音に司は反応したのか今度は部屋の中へと視線を向けると、テレビの画面を食い入るようにして見ていた。
「……この中に沢山の人がいるのか?」
その反応に利之は再び笑いそうになる。 まぁ、昔の人間からしてみたら当然な反応なのかもしれないのだけど、それでもその司の反応が面白くて笑いそうになってしまうのは仕方がない。
「なんて言ったら司に分かってもらえるのかな? 確かにその中には人が沢山いるんだけど……。 これはテレビと言って、電波でこの画面に人を映す事が出来る機械って言ったらいいのかな?」
司は完全に首を傾げてしまったようだ。 そうだ、ある意味、言葉っていうのは難しいのかもしれない。 一体、司は利之に何を聞きたかったんだろうか? いや、もしかしたら司の中では脳がこの今の文明に全然ついていけてないような気がする。
「あ! そうだ! 司はどの時代から来たとかいうの分かる?」
利之はノートパソコンを持ってくると、画面を開くのだ。
司の方は今度利之が開いたパソコンが気になったのか利之が座っているソファへと腰を下ろすのだが、
「……へ? あ、な、何!? へ? これは……」
そう言う司に利之は司の方に視線を向けると、こう司はソファに上手く座る事が出来なかったのであろうか、完全にソファに埋もれているというのか背もたれ部分へと完全に背中を預けてしまった事で微かに沈んでしまっているかのように見える。 いや正確には固いと思って座ったらそこは柔らかくてバランスを崩してしまったという事なのかもしれない。
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