第3話 さて何を書こう

 え? 想像したのと違う?

 もっと殊勝な気持ちで作品に向かっているのかと思った?


 ほんと、期待を裏切ってすみませんね。

 でも、これが問題作が生まれた背景です。


 一応断っておきますが、この過激な反応はそのままルビー文庫に対する期待値ですからね。本当にどうでも良い本には、あ、そっかー。これもかー。で終わるだけで、ここまで怒ったりしません。

 昔から読んでたんです。故の爆発です。


***


 さてさて。怒り心頭でPCを立ち上げた畔戸は、早速ネタ作りを開始します。

 まぁ、とは言え、それなりの長さの物語を成立させなくてはならないので、もう好きなネタで行くしかない。

 じゃピアノだ。ってことは主人公はピアニストか。アルゲリッチ(世界的ピアニストです)はステージの上では孤独って言ってたな。

 よし、トラウマありのピアニストと調律師の話にしよう。野球のピッチャー、キャッチャーぐらいのベタな組み合わせだけどまぁいいか。

 話が性急過ぎたらご都合主義とか言われるなぁ。でも、ちょっと仲良くなったぐらいで男が男に恋するわけない。よし、主人公の受けはそっちの人で、元カレに振られて傷心中にしよう。


 超ドシリアスで、非の打ち所がない攻めがここって場面で「お前を愛してる」とか真顔で言ちゃうBLが苦手だったので(ひっくり返ってもそんなの書ける気はしないけど、いつかは挑戦しようと思うネタではある)青春バカな攻めが受けの迷惑顧みずズカズカ入って行って心をこじ開ける感じで行こう。

 こんな感じで、着々とキャラと設定が作られていきました。


 えーっと、補足ですが、畔戸はピアノが大好きです。クラシックも聴いたりするんですが、専門的なことは何も分からず、これが素晴らしいとかの区別もつかない。弾けもしないのに、ただただピアノという物体が好き過ぎて、当時ピアノ工房のブログを読み漁ったり、(買う気ないのに)メーカーから資料を取り寄せたりしていました。

 ピアニストの本とか、調律師の本とか、ピアノの修理方法が書かれた本とかいろいろ読みまくっていたので、主要キャラ達はそこらへんから生まれました。


 黒いオーラを纏った畔戸は最強でした。

 テーマは青春バカ。そして、エッチはぜーーったいやんない。

 よし、攻めの名前は野宮陽夏。16歳の高校生。受けの名前は高槻創平。調律師で社会人何年目くらいの中堅。

 アホな学生に真っ向勝負されて絆される創平を書こう!!


 というわけでCフラは産声をあげました。

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