第44話

トラジは父さんの年の離れた弟で、バンドやってて、いつも派手にしている。でも、いつだって俺たちのこと考えてくれる。トラジはバンドで演奏をしてるときだって、いつだって…来てくれる。事故にあったとき、冬が連絡したのはトラジだ。トラジなら、来てくれるって、そう思っていたから。


「おー冬はぐっすりだな」


冬を見て安心してるトラジだ。


「冬はかわいい彼女ができたんだ」


「知ってるしー春から聞いた。うらやま」


「でも、彼女のことで疲れてたらどうしよう」


「冬は、笑えてるんだろ?ならいい」


トラジは大人だな。いつも頼ってばかりだ。リビングに一緒に戻ることにした。


「おい秋!火、つけっぱなし」


「あ、忘れてた」


料理中にトラジ来たのが悪いし。


「あっぶねー!水減ってるけど、まーいけるだろ。味噌汁は濃いのがうめーから」


「…そーかな?」


とりあえず味見。うまいけど、量が足りないから結局水を足すことにした。トラジは他の料理を手伝ってくれた。


「トラジ…?」


いつのまにか冬が起きてきた。うるさかったか?


「よー冬!腹減ったか?」


「…いや。トラジ、話したいことがある」


「なんだ?」


あー、冬にとられた。2人仲良くソファで話している。俺は料理を完成させろってことだなー?話に混ざりたいのに。

さっさと準備して、ようやくトラジの元へ。


「いいもの見せてやろう」


トラジのバックから雑誌が出てきた。


「なになにー俺にも見せてよ」


トラジの背後に回り、後ろから見てみた。


「グラビア?また?」


冬は呆れ顔だ。


「秋にもやったけどよー、冬も見ろって。これとかよくねー?」


パラパラ勝手にページをめくるトラジだ。


「トラジ、グラビア好きだねー」


「いや乳を見ろ。秋はどれがいい?」


「えー、でかいのがいい」


「冬はどうだ?」


「…別にどうでも」


「ははー!彼女のがいいってわけだ!わかるか冬ー!比べたらわかるだろ?」


「う、うるさい」


なんでそんな話してるんだよトラジ。冬はそんなのわかんないよ。


「つまりだなー、彼女が1番なわけだ。わかったな?」


「な、なんだよそれ…」


「お前らもっと成長したら、もっといいもの見せてやるよ」


うわ、怪しい目だー。トラジはエロいことしか考えてなさそう。


「そんでートラジは彼女はできた?」


隣に座ることにした。冬とトラジを挟んでいる。


「秋ー!できねーんだよこれが!」


「中学生なら紹介できるよ?」


「秋、だめだからそれ」


冬は冷静だ。元気になってきた。


「中学生とか無理だわーありえねー」

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