第42話

まだ具合悪い程にした。すると先生はごみ拾い当番?に行った。カーテンで仕切られたベッドに並んで腰掛ける。


「これ、小学生のとき」


尚巳に写真を渡す。真っ白い髪になった俺と、秋の写真だ。


「持ち歩いてんの?」


「倒れた時とかいるかなと」


「ふーん、白いね~。はい、返す」


反応薄。


で、尚巳はということ、制服を脱ぐ…?

え、ちょ!


「まって!」


「なーに?見てくれないの?」


「いや、やっぱり、だめじゃないのかな…」


「いいもん」


尚巳はブラジャー姿。レースとかリボンとか、お姫様みたいにかわいいのだ。

て…脱ぐのかよ!


「ほら、冬は牛って思う?」


「え、いや…その」


直視できない。でも横にいるし視界に入る。


「ねー!見てよー、冬」


尚巳に腕を引っ張られる。


「え、なんでそんな?」


「みんなと違うから。変なのかな」


「違う…?俺は、他の人の見たことないから違うとかわからない…けど」


…なにがどう違う?サイズ感?


「そうなの?」


「…うん。別に牛じゃないよ」


「ほんと?」


「尚巳は気にしすぎだよ。羨ましそうにして見てたよ、女子が」


「えー?」


「ほんとだって」


「ありがとう冬ー」


かわいい笑顔。


「でもね、触ると痛いの…なんか変なのかな?」


「え、病院行ったほうがいいのかな」


「触って!硬いでしょ?ママのは柔らかいのに〜」


手を引かれたから、触った。や、柔らかいのだが…


「え、っと…心配だったら、先生に聞く?」


そういう話をしてたら、帰ってきたようだ。


「あ、あの、先生…」


カーテン横から顔を覗かせてみた。


「あら?金井くん、起きて大丈夫?」


「あの、尚、柴田さんなんですけど…」


「あー付き添いで来てた?」


「せんせー!見て!」


尚巳は勢いよくカーテンオープン。


「えー!?ど、どういうこと!?」


上裸である。女の先生でも驚くことらしい。


「胸が痛いの」


尚巳は先生のいつも座る椅子に座った。ので、俺はベッドに1人で座る。カーテンは閉めた。


「…いや、金井くん?」


「あー、俺はわからないので、先生お願いします」


「…それで?胸がどうしたの?…鍵閉めとこ」


先生の独り言が聞こえる。


「硬いし、痛いの」


「触ってもいいの?わぉ、でか」


先生の呟きが聞こえた。


「ふむふむ、生理前かな?張ってる感じ?」


「うーん、わかんないけどそうかや?」


「そう、なら大丈夫。…それより、金井くんに見せちゃってよかったの?」


いや、それどころか触った。


「冬のこと好きなの」


先生から疑いの目で見られた、ような気がした。なんだか疲れてきた。横になろう。


「せんせー、牛にならないよね?」


「牛?」


「ううん、いーの」


先生と尚巳は仲良くしゃべってる。その後は、いつの間にか寝ていた。尚巳はいつ教室帰ったかな?また秋に母を呼ばれた。

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