デート

第35話

「尚巳!付き合ってるってほんと!?」


いつも朝早く学校行って、サッカーとかして遊んでる秋。まじで言いふらしたな。


「おーはよー」


尚巳は全然聞いてない。

俺もその辺にいるけどそっちのけである。


「金井と付き合ってるって?ほんと?」


女子はもう一度言い換えた質問をした。


「冬のこと?」


「なんであれ?」

「頭いいから?」


他の女子も尚巳に質問する。


「んー、冬が尚巳のこと好きなんだよね」


「変な言い方するな」


その通りなのだが、もっといい言い方あるよな…?恥ずかしい。


「えー金井まじ?」


「そうだったら?問題あるわけ?」


「別ないけど、尚巳に合うかな?」

「金井くん尚巳にすぐ怒るし」


「冬は怒ってないよ?優しいけどなぁ?たぶん」


「ちゃんとフォローしろよ。ったく」


「ほら、こんなんだしー」


「冬は照れ屋さんなんだよ?」


「まじやめろ」


尚巳にばれてたのかよ…。うわー恥ずかしいなぁ…


「てか金井ほんとに好きなのかわかんなくない?」


「うるせ」


うるさくて嫌だ。自分の席に着くことにした。しかし、今度は男子が押し寄せてきた。


「金井まじかよー」


「なにが」


「いや顔だけで選びすぎ。あんだけバカだって言ったのに」


「なんなんだよ!うるせぇ」


尚巳を悪く言うな。

ちょっとみんな静かになったが、そのまま授業が始まったので、号令を俺が言う。

委員長の仕事はわりとちゃんとやってる。


「ねー冬」


昼休みの時間、男子と群れてるところに尚巳に話しかけられた。友達といるときにする話にしろよ?


「なに」


「デートしたいんでしょ?」


まじ、空気読めねぇー!


「まじー?金井が言ったのか!?」


「おい、尚巳!ちょっとこい!」


ここにいるのが恥ずかしすぎて、思わず尚巳の手を掴んで移動していた。


「ひゅーデートじゃん!」


はーめんどくせー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る