第34話
「ありがとー家まで!」
「いいよ、別に」
尚巳の家は一軒家だった。これなら間違えないな。
「また遊ぼ」
「…遊んでない」
「そっか!2人でお出かけしたいの?」
ばれてるし。
「…まあ、そうだな…」
「わかったー考えとく!また明日ね!」
「おう」
家に帰ると、先に帰ってた秋が大騒動していた。
「冬は〜女の子を紳士のように送ってー」
母さんに話されてるし。
「秋うるせぇ!」
「おっかえりー!だってー仲良さげでー」
「秋、もういいから!」
「いいわねー私も見たいわ」
「騒がしいな」
騒いでたら、塾がなかったのか兄ちゃん帰宅。
「おかえりー!兄ちゃん聞いてよ!冬に彼女がー」
「こら秋!余計なこと言うな!」
「彼女?へー冬よかったな」
兄ちゃんは素直に褒めてくれた。
「まだ、彼女か…わからな」
「とか言ってー!なかよーく手を繋いでた!」
「ふーん」
兄ちゃんにじっくり見られた。
「そ、それは友達みたいな感じで」
「へー?冬の片思い?」
「うるっせぇ!」
図星すぎる。
「冬、言いたいことはちゃんと言ったらいいかもしれない」
「そーだ!そーだ!」
「秋には言われたくない」
「それで、どんな子?」
「同い年で学校で人気の美少女だよ?」
「お前が言うなよ」
「美少女か…すごいな冬」
兄ちゃんはなぜか驚いていた。
「めちゃかわいくて、胸もでかいんだよー」
「最低」
「冬は見た目が好きじゃないのか?」
「冬は全部が好きでしょー?」
「うるさ。秋最低」
「えー学校のみんなに教えよーかな?」
「別に。勝手にしろ」
「冬、本当にいいのか?秋は言っちゃいそうだけど…」
「別に。それに意味はないし」
「さっすが冬ー大人ー」
秋にバカにされてる。むかつく!
「美少女ちゃんかぁ、気になる〜」
くそー!母さんにまで聞かれてるからやだ!
「お家に連れてきてもいいのよ」
「…ま、友達…だし」
家なんて、呼べるような仲ではないし。俺の一方的が強くて、尚巳が嫌になっちゃったら…と思うと不安。
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