第32話

「今日はパパいないから、ゆっくりしてね」


のんちゃんのうちは、フラットでバリアフリー。うちもそうだ。ソファーに案内されたので尚巳の隣に座る。のんちゃんも尚巳の隣で、3人横に座る。


「モデルじゃない仕事でーなにができるかなー」


「そーだなー、お嫁さんとか!」


なぜそんな考えに?おままごとか?


「それ仕事かなぁ?」


「尚巳は、家の仕事したいんだろ?」


「それはしないの!できないー」


ぷくっと膨れた尚巳。のんちゃんには言ってないのか。


「…なおみーは家の仕事したいの?」


「違うよ~できない」


「ばか、言えばいいだろ?」


「それ、パパに言ったら?そしたらできそうじゃない?」


「お兄ちゃんがやるから。決まってるし」


「尚巳もやればいいだけ」


「じゃ冬くん?君がやれば?」


「は?なんで俺?」


「なおみーの旦那さんになって継いで、なおみーはお手伝いするの」


「…いや」


まだ付き合ってもいないんだけど?飛躍しすぎですが?


「そしたらお兄ちゃんは家の仕事しなくていいの?」


「そうだね」


「話進めるなよ」


「じゃあそうしたい。お兄ちゃん頭いいからもったいないもん」


「…そもそも尚巳は俺のこと好きじゃないだろ?」


「んー、顔はタイプじゃないけど、性格は好き」


「お!なおみーいいねー!」


なぞの盛り上がりをするのんちゃん。しかし、はっきり好きって…


「…恥ずかしいこと言うな」


性格なんて、見てんの?尚巳が?


「あ!そろそろみんな帰ってくるかも」


「冬、じゃあ帰ろーか」


「いいけど…」

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