第31話

「へー、道順がでるのか。学校から帰るまでのもすれば?」


翌日、本当にのんちゃんに会うらしい。

女子にはのんちゃんに会うから!で断ったらしい。なんなんだ、のんちゃんって。でも、2人で帰れてる…そして携帯も触っている。もちろん番号は教えてもらったというか、自分で登録した。


「お兄ちゃんが忙しくてできないの!」


「お兄ちゃんねぇ…」


尚巳のお兄ちゃんなのか、おじさんなのか、近所の人なのか。わからないけど。


「ほら、冬!ここの家!」


「辿り着いたな」


で、のんちゃんって?

チャイム鳴らすと、すぐドアが開く。


「のんちゃんお待たせー」


「なおみー!いらっしゃーい!…誰?」


元気な女子。見たことない子だ。制服は私立のだ。


「冬だよ」


それは説明になってないから!


「あ、クラスメイトで…金井友冬です」


「あ、斉藤望さいとうのぞみです。なおみーの友達?」


「うーん、私のこと気に入ってくれてるの」


「おい、変な言い方するな」


「なおみーさすが。かわいいもん」


「俺のことは気にしないで」


「なおみーってほっとけなくて、かわいくて、すごいんだよ?」


すげー褒めてる。


「あの、尚巳がモデルの仕事、もう行ってないの知ってる?」


「あ!のんちゃんに言ってなかった!くび!」


「えー!トラブル?」


「道が覚えられなかったから、だめになった」


「そうなの?言ってくれたらよかったのに」


「ううん。のんちゃん忙しいから。私もなんか頑張りたかったのにな」


「それ、尚巳せいじゃないだろ?」


「とりあえず上がったら?」


のんちゃんとやらは空気を読むのか、しっかり者のようだ。


「うん。そーだ!遅くなってもお兄ちゃんに迎え頼まなくていいね〜冬がいるし」


「ぱしりみたいな言い方…」

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