第25話

「この服かわいいねー」


女子は群れるし、騒ぐ。

うるさい。


「かわいいー」

「高いね」


「仕事したら買えるようになるよね~」


「尚巳ったら。中学生だし無理だよー」


お気楽な女子。尚巳は仕事してまで服欲しいのか?


「冬ー!数学のー!」


廊下の窓から秋が叫んでる。


「教科書?」


「さんきゅー」


さっさと教科書を持って秋は立ち去る。

隣のクラスにいる秋は、いつも元気だ。

そうしてると、尚巳がやってきた。


「冬と秋くんは、双子だけど全然違うね」


「そりゃ二卵生だし。性格も違う」


秋は人気あるから、女子が騒いでいる。

なのに、俺と双子とかなんなんだ?と思うやつもいる。


「ねーなんかハモったりするの?」


「しねーよ」


「そんなきつく言わなくても」

「尚巳がかわいそ」


うるせー。尚巳は別に気にしてないみたいだけど?なんなんだ。


昼休みは男子が周りに群れて話す。


「尚巳かわいいけどさーバカなんだよな」

「そうそう、あいつめーちゃくちゃバカ!ありえないくらい!」


「そうか?」


なにがどうしたらバカになるかわからない。

説明できるのか?お前。


「乳はでかいし、顔もかわいいけどな」

「でもバカすぎてないわ」


なんなんだよ。尚巳のことよくも知らないくせに。勝手に妄想してんじゃねーよ。

むかつく。

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