金井友冬

第23話

学級委員長…なんて他校の人もいるのにどうやって決める?

友達に推薦されたから、勝手に決められた。


金井かねいは頭いいから」

「冬にしかできない!」


適当だが。面倒ごとを頼まれやすい。くやしいけど、頼られるのも悪くないと思ってしまう。


「おはよー」


翌日、靴箱で女子に挨拶された。

知らない子。同じクラス?


「おはよ」


「ねー学級委員長になったんだよね?なにするのかな?」


「さあ?みんななにかしら委員に入らないといけないみたいだけど?」


「えーそーなのー?」


「うん」


「でもすごい!どんなことするかわかんないのによくやろうと思ったね!偉い!」


素直に褒められた。…そんな風にいいように思われたことなんてない。


「いや、推薦されたし…」


「みんなから愛されてるね」


なんてポジティブ。

確認すると同じクラスの柴田尚巳しばたなおみという子であった。


今日の予定は、体育館で身体測定になっていた。これで午前中は潰れる。


「体育服着たら女子の体型わかるじゃん?見ろよ尚巳」

「うは、すげー」


男子は名前で呼んでる。そして、尚巳は他の女子よりかわいいし、体型もいいしで、みんなの注目を集めていた。


「ちょっと男子!ちゃんと並んでよね」


騒ぐ男子を女子は嫌そうに注意する。尚巳は他の子としゃべっていて、全く気にしていない。


「こっち見るな!」

「男子たち尚巳ばっか見てるよ。うざー。でも尚巳すごいね〜うらやま!」

「動きにくくない?」


「なにがー?」


「その胸だしー」


「うーん、いらないよー」


「そこまでは言ってないからー」

「てゆーか、男子がまだ見てる!こっち見ないでよ!」


「は?お前ら見てねーし」

「ありえね、ブス」


「なにそれー!ブスって言う人がブスだよー!」


自分のことだと思ってる。全然話聞いてない。


「尚巳言い返しやがる」

「バカなのにな」


尚巳と学校が一緒だったやつの言葉だ。なんか、いらっとした。

しかし、身体測定は進行しているので、列は自動的に流れていく。見るなと言われたら、見たくなる。尚巳を他の男子と同じく、俺も目で追っていた。

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