season

第21話

春くん、今日会ったよ。花田さんが三つ編みのおじさんであってるよ。お店の常連さんなの。

メールを送った。

「みなみちゃん、お疲れ様。気をつけて帰ってね」

「はい。あ、花田さんは帰りましたか？」

「うん。なにか用事？」

「いえ」

どうして春くんを知ってるのかな？彼氏の話したけど、まさか会いに行ったとか…？

「お疲れ様」

店から出たら、花田さんがいた。

「あの！春くんのこと知ってたんですか？」

「春くん？」

「えっと、金井友春くんです。私の彼氏の」

「それね！俺の娘と同じクラスなんだよ」

「そうなんですか？…あの、春くんが怖がってたみたいで」

「大丈夫だよ。俺んちの娘といろいろ話してたし。足のこととか」

「話してたんですか？…そんなに仲良いんですか？」

「うちの娘、気遣いがすごいできてさ。だから、友達だ」

「そう…なんです…ね」

きっと、しっかり者の娘さんなんだろうな…

「うちの娘は彼氏いるしな？まー気にしなくていいよ」

「あ、…はい」

「あいつしっかりしてるけど、心配性だなぁ。かわいいじゃねぇか。遊んでやりな？」

「あー、花田さん」

店長が店から出てきた。

「ちわっす店長！もう帰るからさー」

「みなみちゃん、送ってもらいなよ」

「おー、いいよ？」

「え」

「バイク乗りなよ」

それは…いいの？と考える暇もなく、店長が後ろに乗せてくれた。