第3話

委員長も引き連れて、辰巳とゲーセン行って、2人の距離が縮んだようだ。この間のことは辰巳には言ってないのかな?よかったけど、ゲーセンに行ったことが先生にチクられてしまった。おそらく委員長の大ファンな稲賀いながじゃないだろうか?お陰で居残り授業。そのせいで、塾遅刻の日々。辰巳には親に言われて仕方なく塾に行っている程だが、ほんとは勉強したくて親にお願いして入った。


はるくん、大丈夫?学校忙しいの?」


今日も遅れてきて、居残りしている。


「え、ううん。居残りだから…ゲーセン行ったのバレて」


「そうなの?春くんゲーセン行くの?誰と?友達?」


「うん、友達」


「私も行きたいなー」


「校則違反だけど、いいの?」


「んーだめかなぁ」


この人は同じ進学コースの肥後ひごさん。学校違うし、中3だけど…高校入試の為の勉強してるから同じクラス。このクラスは今中3の内容をやっている。勉強を教えてほしいと言われたから仲良くなった。いつも隣の席にいる。


「春くん」


「あ、なに?」


「どこか痛い?」


「え…」


顔に出たかな…

身長が嫌に伸びて、足が痛い。でも新しいのはまだできてないから…もうちょっと待たないとなんだよね。


「具合、悪かったら無理しないでね」


「…大丈夫」


でも、最近けっこう痛いのが増してる。学校でも痛くて、保健室で具合が悪いと言って寝たり起きたり。もう放課後だ。居残り授業出ないと。


「春、顔青いよ?」


「そう?じゃ帰る」


辰巳に心配されたから帰る。でも、塾は行こう。勉強したいから。補習は出ないから、最初から参加できる。…だけど、痛い。だめだ、帰るしかないのか?


「春くん、大丈夫?無理しないで」


「帰る…」


まだ1科目しかやってないのに。あーなんで普通じゃないんだろう、俺。仕方なく、塾を出る。くそ、立ってるのも辛い。


「春くん。足痛い?」


肥後さん…なんで?まだ授業あるのに。

その辺のベンチまで歩いてたところを見られた。今の俺は、余裕なんて、ない。


「あ、痛いね、椅子座ろっか」


見られた。嫌だ。恥ずかしい。

顔も涙で濡れて汚いはずだ。

そんな俺に寄り添って、ベンチに誘導してくれた。


「…迷惑…かけ、て…ごめん」


「春くん、どうしたの?教えて」


嫌だ嫌だ。怖い。

嫌われたくない。


「それは、言えな…」


不意に抱きつかれた。


「春くん深呼吸しよ。落ち着いて。大丈夫だよ、怖くないよ」


「…」


「私がいるから」


「…肥後さん…俺、帰るから親に連絡する、から」


「うん」

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