第2話 可愛いが正義なの
はれぼったい唇。海苔みたいなふっといまゆげ。
「う~ん。」
お風呂の鏡におでこを貼り付けて眉を寄せる。
小さい船にいつものうさぎちゃん船長を入れ、話し始める。
「いいよね、ポーティーちゃんは。いるだけで、可愛いって言ってもらえるし、何があっても大切にしてくれる人がいるもんね。うちなんて、きゅうり貼りつけた口だって言われたもん。それで、やめてよ!!!って大きな声で言ったら、みんな離れてちゃったよ。」
うちの目から、出た水が落ちた。少し海のかさが増えた。そんな馬鹿なことを考えていた。
「離れるようなことをしたのは、あっちなのにね。きゅうりの口って言ってきたあいつもたらこ貼りつけた口だったよ!!」
大声で笑ってみたが、それはお風呂に響くだけで、気持ちはなんにも変わらなかった。
「・・・キラキラで、ふわふわした、うちらの世界があったらよかったのになぁ。」
あるとは思ってないし、口にしたことでできるとも思っていないけれど、今の世界にいても楽しくないなとは思う。
「ねぇ、ポーティーちゃん一緒にずっといれたらいいね。いつか二人だけの世界作ろうね。」
『ツクルヨ。』
え?とうとう幻聴まで聞こえるようになってしまったのかと焦る。
『ツレテイッテアゲルヨ。』
はっきりと輪郭を持った音が聞こえた。声とは言い難い高くふんわりとした音だったが、はっきりと耳に届いた。
「・・・ポーティーちゃんなの?」
返事が返ってこなかった代わりに、下を向いたら見えるはずの脚は見えずに綺麗で広い広い森があった。
――あとがき――
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夢少女よ、しあわせにしてくれないか 晶の華 @yakan20
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