20話 ラストバトル 前編

<支配>


 世界が自身の物になった全能感が頭を支配する。


 しかし、油断はしない。何せ相手は、主人公補正付きだからだ。


 なんせ


「許さない!」


 能力で殺したはずの不知火恋が殺意に満ちた顔で突っ込んできたのだから。


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 俺は黄色担当と会ったときに、彼女の魂と恋の魂を分けておいた。が、剥がしまではできなかった。


 きっと、その魂が代わりに倒れたのだろう。


 彼女は元々世界にルールを設けている。その一つが、一回見た攻撃は効かないである。


 これにより、「支配」で彼女を殺すことおろか傷つけることすらもできなくなった。


 そうして俺は防戦一方となった。


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不知火恋視点


「ふふふふふふ、ふはははははははは」


 私の気分は絶好調だった。過去の負の遺産赤城湊を清算しつつ、おぞましい奴らデウス・アルタナティヴを殺せるのだから。


 殴る、蹴る、殴る、殴る、殴る。


 下手なダンスを見ていると愉快な気持ちが込み上げてくる。


 この最高の気分のまま湊を殺そうとした時


「奴を倒してきてやったのじゃ。」


 魔法が急激に弱くなった。

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