鬱系魔法少女アニメで主人公に浮気される幼馴染み男子になった俺、正義の敵組織の幹部になる

17話 彩、妥協的交渉

　………

　俺は神崎彩（妹の方）を待っていた。

　薫と彩（姉妹）はそれぞれ北極点と南極点で魔法を使おうとしていた。

　その事を知っていた俺は神の剣（ミカエル）に情報を渡した後に南極点を目指した。

　神崎彩（かんざきあやか）は、薫と違ってプライドが高いだけではなく実力と誇りも持っている。

　実際問題、彼女が犯罪を犯したのは万引き一回だけであり、その後自主して示談で済ませている。

　かつ原作者いわく、不知火恋（主人公）を除けば魔法少女最強は神崎彩だそうだ。

　そんなことを考えていると、

「ねぇ君、少しそこを退いてくれないかい？」

　神崎彩がやってきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　僕は焦っていた。この計画は僕と薫以外誰も知らないはず。

　だけど、目の前にはラフな格好をしたイケメンが居た。

　ありえない。

　それが僕の最初の印象だろうか。ここは、南極点であり気温は平気で-10を下回る。それなのにそんな格好、何らかな特別な「力」を持っていないとおかしな状況だった。

「もう一度言うよ。退いてくれないかな？」

　最悪この人を気絶させないといけないかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　俺は神の代理人（デウス・アルタナティブ）に彼女をスカウトしたいと伝えていてそれは、認められた。

　神崎彩は不殺の誓いを立てていて、人を殺したことはない。もっとも、姉のことを殺す気はあったようだが。

　薫も彩も「魔法少女で居続けられる」魔法を使おうとしたがその中身は少し違う。

　薫が魔法少女として自身が常に崇め尊ばれる世界にしようとしたのに対して、彩は代償無しに魔法が使えるような世界にしようとした。

　「殺すまでではない」というのが神の代理人（デウス・アルタナティブ）の総意だ。

「ねえ、少し話を「ごめん、少し倒れてて」

　拳が目の前に飛んできた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　僕は混乱していた。拳が当たったはずなのに感触がない。強いて言うなら空気を殴ったような感じが。

　転びかけたその瞬間、

　ｼｭｯ

　僕は見えない何かに捕らわれた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「話をしよう。」