15話 「時」前編

更新が途絶えてしまい申し訳ありません。バトルシーンを書くのが難しく何度も書いてはボツにしていました。

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「やぁ、待っていたよ。」


 神の剣ミカエル第一席、東雲が能面のような笑みで神崎薫姉の方に声をかけた。東雲の心の中は怒りで一杯だった。


 東雲翠第一席には姉がいた。自慢の姉が。その姉も神の剣ミカエルに所属していた。翠は姉を愛していたし、姉も翠を愛していたし。家族団欒の平和な日々だった。


 そんなある日、姉は魔法少女に殺された。


 その傷口から弄ばれてアソビナガラ殺されたのが分かった。


 その時に魔法少女として活動していたのは、とある姉妹だけだった。翠は復讐を誓って神の剣ミカエルに加入した。


 神の剣ミカエルにも思うことはあったが、彼らは紳士に対応してくれた。仲間意識も芽生えた。親友もできた。神の剣ミカエルを心の拠り所にし始めたときに、


 親友が殺された。


 状況から姉を殺した魔法少女と同じことは分かった。


 そのときから彼女は、心の底から笑えなくなった。


「申し訳ないんだけど」


 姉さんと親友を


「君たち姉妹には」


 殺したお前だけは


「死んでもらうよ」


 絶対にブチコロス


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 とある異能系バトル漫画の最強の能力は何かという話でよく出る候補に

 

「たくさんの分身体を作る」

「磁力を操る」

「自分と同じような状態にする」

「自分に敵意を持った相手にとてつもない不幸を及ぼす」

「自分以外に不幸を肩代わりさせて、死にそうになっても別世界の自分を連れてくる」

「時を止めて、一方的に干渉する」

「時を巻き戻してなかったことにする」

「未来を予知して、攻撃を受けそうになったときに自分をスキップさせて攻撃を受け流す」

「時を加速させて一方的に干渉する」


 等があったりする。そのなかでも、後半の6つは凶悪でラスボスの能力にすらなっている。


 そのうちの四つを神崎薫姉の方は操れる。


 いや、それだけではない。かのラスボスたちには能力が制限されていた。その制限がない、完全上位互換の技を使えるのだ。

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<セーブ>


 神崎薫は、魔法を使った。それは、ゲームのセーブ機能のようなもの。薫が<ロード>を使えば何時でもその時間に戻せるのだ。


 薫は天才だが、全知ではない。「時」は確かに強力な属性だが、一歩使い方を間違えれば薫の頭では処理しきれず、行き処を無くした魔力が爆発する。


 そんなことにならないように、薫は自身の能力を5つに区切った。


 一つ目は保存。バックアップと言っても言いかもしれない。先程の<セーブ>はこれに該当する。 

 この、保存された状態を基軸にして彼女は魔法を行使する。


 二つ目は巻き戻し。<ロード>はこれに該当する。保存したところまで時間を巻き戻して、何もなかったことにして自身の記憶のみを過去に持っていく。


 三つ目はスキップ。相手が本来辿った運命通りの行動をし、自身は無敵となる。スキップしている時相手は意識が無くなる。

 そして、一方的に攻撃できる。スキップが終わった直後に相手の意識は回復するが、相手は何が起きたか分からずに死ぬことになる。


 四つ目は速度調節。物の時の経つ速さを調節する。周りの時間の経つ速さを限りなく遅くすることによって時を止めたりできる。

 

 五つ目は時眼。過去、未来を見ることができる。これからの行動の結末が読めたりするため、他の能力と会わせることによって常に最善手を打てるようになる。


 そんな圧倒的メタ能力を持っている彼女の


「えっ?」


 首が飛んだ。


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パチュ

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ゴト

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バキ

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 ………


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 ………


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「やめて死にたくn


グシャ


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