14話 救える、掬える

 姉妹がためていた魔力を解放する。そのためには、その器となった姉妹をどうにかする必要がある。


「質問良いでしょうか」


 神の剣ミカエル第七席、クレア・バートルガが手を上げた。


「その姉妹の属性は何でしょうか。」


 魔法は奇跡を起こせるが万能ではない。自身の精神によって使える魔法は漢字一文字で表せる。


 例えば「火」、「水」、「土」、「風」、「純」。

 ちなみに、それぞれ主人公青担当黄色担当言葉緑担当白担当の属性である。


 そして、姉妹の属性は


「『時』と、『間』です。」


 皆一様にうんざりした顔をした。


 魔女が使える魔法は属性に関わることのみだが、拡大解釈をすることはできる。

 恋がいろんなことを魔法でしているのは、この拡大解釈によるものだ。

 魔法少女の強さはこの、拡大解釈でどこまでこじつけられるのかに左右する。


 そして、「時」と「間」はその拡大解釈がし易過ぎるのである。

 

「皆さんはどちらの方が相性が良いですか?」


「まだ『時』の方だな。」


 第二席の大石が発言した。


「私も大石くんに賛成だな。」


 第一席の東雲もその発言に賛成した。


 リーダーとサブリーダーの意見が一致した時点で方針は決まったようなものだ。


「反対意見はあるかな?」


 東雲が問いかける。


「無いなら、僕たちは『時』の対策を取ろう。預言者君、『間』の方を頼めるかい?」


「あぁ、大丈夫だ。任せてくれ。」


 それから、神の剣ミカエルの面々が作戦会議をし始めた。俺は、「よろしくお願いします」と言ってその場を立ち去った。


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姉妹視点


「魔力のはどんな感じ?」


 姉が妹に問いかける


「後一日で満タンになるよ。お姉ちゃんの方は?」


 「私も後一日よ。」


 姉妹には時間がなかった。格下だったはずの奴が力を付けすぎているからだ。もうそろそろ、自分達が格下の格下になりそうなのだ。


 姉妹の願いは二つあった。一つは、世界から能力者を消すこと。もう一つは、を消すこと。


 準備は後少しで整う。成功すれば、自分達の立場は揺るぎ無いものになる。それが彼女達の原動力だった。


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恋視点


「全く無駄なのに」


 不知火恋は姉妹の計画に気が付いていた。


 彼女の属性である「火」の本質を彼女自身は燃やすことだと思っていた。


 その考えが変わったのは、白担当が貸してくれた漫画だった。

 その漫画は超能力物のバトル漫画だったのだが、特筆すべきことはその全てが火の性質を元にしていることと、火を用いた例え話をよくすることだった。


 その漫画を読んで、恋は悟った。世の中にある、莫大なエネルギーがあれば叶えられるもの。それら全てを熱エネルギーで賄える自分になら、不可能は無いのではないか。

 火を使った例え話があるなら、それ自体をどうにかできるのではないか。


 

 それから実験を重ね、思い付く限りの事を魔法で再現できるようになった。


 地位も名誉も金も愛もある。自分は全てを手に入れたと思ったときに、運命の出会いをした。


 きっと、初恋だったのだ。


 洗脳して吐き出させた本音も美しく、恋は彼の虜になった。恋人のやるようなことは全てやった。


 人生の絶頂に居ると思ったときに、先輩アホ共が狂った計画を建てているのを知った。そんのことは、絶対に阻止しなくちゃ。


 三つの陣営がそれぞれの思惑で動き出す

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