11話 対話

「あなたはなんなの」


 と青担当が聞いてきたので


「言っただろう。不知火恋の恋人だよ」


 と答えた。


「話を戻そう、そこの活発そうなお嬢さん黄色担当。魔法とはいったいどんなものか説明してくれるかい?」


「ええっと、スゴい力だよ。世界を救う力。」


「不十分だね。そこのお嬢様なお嬢さん白担当は?」


「私たち魔女の末裔が使える特殊な力ですかね?」


「まだ不十分かな?じゃあ、理知的なお嬢さん緑担当はわかるかな?」


「…雪、お嬢様の言ってたこと以外は知らない」


「なるほどね、じゃあ最後にリーダーっぽいお嬢さん青担当は?」


「うーん、私も言葉。緑と同じかな。正解は?」


 原作通り全員知らないか。


「答えは、あるものを代償にして奇跡を起こす力だよ。」


「それって魔力だよね!」


 っと勢いよく黄色担当が答えた。


「まぁ、そうだね。じゃあその魔力はなにを代償にしているか知っているかな?」


「「「「え?」」」」


 彼女達に魔力のために何かを代償にしていると言う認識がなかったのだろう。全員が首を捻っている。


「答えは幸せだよ。世界の幸せ。」


「すこしいい?どう言うことかわかりやすく説明してちょうだい。」


 言葉緑担当が聞いてきた。


「魔力は世界の幸せを燃料にしたもの。つまり、魔力を使う度にこの世から幸せが消えるのさ。逆に言えば魔力を使う度に不幸が増えるとも言う。」


「「「「!?!?!?!?」」」」


「そもそも、この世に不幸は存在しなかったはずなんだよ。だけど、誰かが魔法を使い始めたことによって幸せが消耗し始めた。それが不幸の正体さ。」


「「「「…………」」」」


 彼女達は皆沈黙している。


「俺が言いたいことは一つ。魔法をこれ以上使うな、たとえ目の前で人が死にそうになっても「そんなのあんまりじゃないですか!」


 黄色担当が勢いよく反発した。この娘


「どうしてだい?」


「目の前で助けられる命を見捨てることです!」


 正義感が強くて勢いで行動するから、結構やんちゃなんだよな。この子。


「言っただろう。魔法を使えば不幸が起こる。具体的に言うと、小さな物を動かすだけの魔力を得るには合計で大体150人が死ぬ不幸が起こる。人一人を救うのに、何人の命が消えるんだろうな」


「…そんな魔法で不幸が増えるなんて証拠どこにあるの?」


「それなら、大規模な魔法を使えば良い。きっと、世界中で人が死にまくるような大厄災が起こるだろうからさ。」


「ッ!!」


 そんなことはできないだろう。自身のポリシーに反するだろうからな。


「なぜ、こんな話を不知火にしないんですか?彼女は自分のために魔法を使っていますよ。」


「俺はあいつを説得するのを諦めたよ。あと、君達が邪魔なんだよ。あいつを殺すのに。」


「殺すなんてどうしてそんなひどいことを言うの!あの子は確かにうざいけど死ぬべきではない!」


 こいつ黄色担当の正義感うざいな。


「君達は誰から魔法の存在を教わったの?」


「恋ちゃん」「恋」「不知火さん」「不知火」


「じゃあ、どうして代償の存在を君たちには教えなかったの?」


「「「「……」」」」


「ちなみに、俺が代償について知ったのはあいつと一緒に魔法についての本を読んだからだ。」


 はったりだが、不知火が代償について知っておるのは原作で判明した。そう言うことにしておく。


「もう一度言おう。魔法をこれ以上使うな、たとえ目の前で人が死にそうになってもな。」


 これで了承してくれないかな?

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