第11話

「ギリギリっしたね。」


「オウ。」


「ホント、ギリギリっしたね」


「オウ。」


「四国行かなくてすんだっす。」


「オウ。」


「明日からダンジョンっすね。」


「オウ。」


「また這い回るんっすね。」


「オウ。」


「俺、やるっす。」


「オウ。」


「腹括ったっす。」


「ガンバレ。」

しまんねえ。


オニババはアタリの人が仕留めた。

2階の階段で待ち伏せしたらしい。

成り立てで知恵がまわるのを逆手にとったそうだ。

ま、ありがいたいこっちゃ。

アタリの人に足向けて寝れねぇや。


臨時休暇はおわった。

あ~明日からまた、ダンジョン浚いだ。


待機中にナガレモノたちの再研修がきまった。

場所は、西日本最大といわれる、万博公園跡ダンジョンでやるそうだ。

日本で一二を争うハイリスクハイリターンなダンジョンである。

どうみても処刑だな。

普通なら下級とはいえ、ハンターを潰すようなことはしない。

他のダンジョンでも四国のナガレモノが同じようなことをやらかしたらしい。

ダンジョン民への転身を勧めたが、ほとんどが拒否したんだとよ。

俺はハンターだ、ゴミひろいじゃない、だって。

プライドだけ高い無能者、矯正不能と判定されたようだ。


はああ、救いが無い。

同情はするけどね。

命以外、全部無くした孤児たちが何とかがんばってハンターになったと思ったら、

お前らいらんどっか行けだからね。

何処にも救いが無くて。

誰にも救えないのがね。


はああ、いやだいやだ。

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