第3話

「オツカレサマデェェス」


特定洞窟調査士サマはダンジョン民など虫以下としか見ていない。

まともな奴なら無視するし、オカシな奴も殺してドロップしないので絡んでこない。

ただ、機嫌のわるい奴に引っかかると面倒なので挨拶する。


「おいっ!」


ハズレか。


「ハイ、何ですか。」


「曲がってちょっと行った所でブレてんぞ。」


「えっそうなんですか、ありがとうございます!気をつけます。」


「おう。」


ふぅ、あたりだった。




点滅するように洞窟が崩れたり、元にもどったりしてる。

ちょうど、抜け道の入り口だ。

グルーッと迂回しないと3番回廊へ行けない。


公衆便所のアレの落書きを3重にしたのがダンジョンの階層の基本構造だ。

マン中とそと円の外側に階段がある。

グネグネした円を『回廊』、円をつなぐちぢれ毛が『抜け道』だ。

あと穴倉のような『小部屋』、ドーム状の『ホール』があちこちにある。


なぜブレるのかはわからない。

ブレてるあいだは近づけない。それだけ。

ブレが終わるとちょっとだけ変わってる。こともある。


おっ、止まった。

ふむ、火バサミでつつきながら覗き込む。

変化無し?


ヨシッ!


行くか。



穴蔵発見!ハイッ撤収。


『ギッ』


バカネズミ!


1対1ならなんとか。


1対2なら大怪我。


1対3なら餌になる。


『『『ギッ』』』


ほ~らご飯だよ、喰らえ、オトリエサ(ねずみ用)5個入り1p¥1500。


大赤字である。


帰って寝る。





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