怒りに動かされ、復讐に誘われて、死神の鎌を求めた男の物語。怒りのままに復讐を果たしても、死をもたらしても、終わった後には悲劇しか残らない……それが現代の陽光の下にしめされる良識と知性。しかし、死神の鎌のごとく冷徹にかがやく月の光に照らされる光景は? その下で主人公が歩む先は……?重く、恐ろしく、それに耐えて読むだけの冴えのある作品です