第2話転移

「ううう」

 僕は意識を取り戻してきていた。先のまぶしい光は消えていたが、起き上がり周りの様子を見渡してみると周りは夜でさらには見覚えのない森の中にいた。さっきまでは昼だったよな、しかしここはどこだ?時間帯が変わるのは気絶していたから百歩譲ってわかるとして、場所がかわるのはなぜだ?そんなことよりも佳子はどこだ?

「佳子ー!どこだー返事をしてくれー」しかし返事は帰ってこない。

 立ち上がって周りを改めて見てみると機械があった。その機械は今の世界にしては時代的に劣って見える技術だったが、昔の機械があるのはそう大した問題ではない見たことのない不思議なパーツがあるのだ。今まで一度も見たことのないような機械でよく見ると何かの動物を模しているように見えた。それには、宝石のような少し赤みがかった楕円形のものが所々に埋め込められている。

 「なんだこれは?」僕はその機械を手に取ると、その機械は四本足で立ち上がり動き出し、こちらに体当たり攻撃をしてきた。

 「おーい、なにをやってるんだい」と後ろで声がした。後ろを振り返るとそこには身長50cmほどの大きさの中性的な顔をした天使がいた。

 「バースト」

 そう言うなり、先まで攻撃してきていた機械が軽い爆発を起こし停止した。

 「ありがとうございます。僕は佐神未来です。あなたは?」そう僕は感謝の言葉と自分の名前を伝えて、相手の名前を問う。

 「あー僕はムーンだ。君結構怖いもの知らずだね、ここでそんなことするのは。」

 「ここって?」と今の状況がうまくつかめていない僕はムーンに質問をする。

 「あ、そっか地球から転移して来たんだよね。ここはアトラス、君からすると異世界ってとこかな~」

 「異世界に転移!?」なぜ異世界に?

 「あと君ともう一人来ているはずなんだけど」と周りをきょろきょろしている。

 「あーそうだ!佳子は?」そう言ってムーンと同じように周りを見渡してみる。

 「もう一人はその子か」と確認するように応えた。

 「知っているんですか?」そう尋ねると

 「そう聞いたね、けどどこ行ったんだろう。」と要領の得ない回答が返ってきた。

 「聞いたって誰からですか?」不審に思った僕はムーンに対して質問を投げかけた。

 「すまないけど、それは言えないね。だけど君の敵ではないから安心して」答えることができないことに対し不信感を抱いていると

 「ああそれと、まだ信用できないと思うけどこれから君と行動をともにするわけだから敬語も使わなくていいし、ムーって呼んでもいいよ」といわれた。実際ムーンのいうことが本当なら頼る相手もいないし、敵ではないということだからとりあえず行動を共にしてもよいかと思った。

 「分かったよ。よろしくムー」

 「ところで佳子はどこいったの?」

 「分からないね」知らないとムーはこたえる。

 「さっきの動物の動きをしていた機械は何?」

 「とりあえずこの森を抜けるために歩きながら話そうか」と言ってムーは獣道のような道を歩き始めたので僕もそれについていくように歩き始めた。

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