不思議なペットボトルとの出会いから始まる美味しいダンジョン生活～折角だから配信活動も始めました～

第132話 アメリカの方針とカボチャグラタン

　ガリッサからアメリカへと帰還したロジャーたちは国内三十二か所のダンジョンに関してスタンピードを起こさないようにするために攻略階層の調整を指示されていた。

「ロジャー、Ｄ－ＣＡＮに依頼した国内ダンジョンの鑑定データがそろった。シャイアンダンジョンの二十二層が国内で一番浅いダンジョンとなる。それ以外のダンジョンをすべて、二十三層までは攻略を進めておいてくれ。期限は来月の新月までだ」

「了解だ。それが終われば日本へ戻っていいのか？」

「ＤＳＦの全部隊員にリミットブレイクを取得させたいので、その引率としてロジャーとグレッグは日本駐留をしてもらう事になる。私は当面ステイツを離れる事は出来ないから、二人とも少佐に昇進だ。国外での活動に関してＤＳＦ（ダンジョンスペシャルフォース）全部隊への指揮権を与える」

「そいつはご機嫌な提案だなボス。さっさと国内ダンジョンを片付けてくるぜ」

◆◇◆◇

　今日もお料理しなくちゃね。

　二十四層の守護者からドロップしたダンジョン栗カボチャがあるし、今日は『カボチャグラタン』を作ろう！

「日向ちゃーん、お料理始めるよー」

「はーい、すぐ用意しますね」

　いつもの様にキッチンスタジオの準備を日向ちゃんに任せて、お料理の準備を始める。

　お父さんの作るカボチャグラタンはチーズがたっぷりでとっても美味しかったんだよ。

（材料）一人前

　ダンジョン栗かぼちゃ　　　　　　　　一切れ４０グラムで三個

　ダンジョンミニトマト　　　　　　　一個を六切れにスライス

　カマンベールチーズ　　　一個を八分の一カットで三切

　フレッシュモッツァレラチーズ　三ミリメートルの厚さにスライスして三枚

　パルメザンチーズ　　　　一人前１０グラム

　ベシャメルソース　　　　一人前百グラム

（ベシャメルソース）

　薄力粉　　　５０グラム

　無塩バター　５０グラム

　デリシャスミルクポーション　５００ｃｃ

　塩コショウ　適量

　ホクホクした栗カボチャの食感を楽しみたいから、カボチャは少し大きめにカットする。

　カボチャの皮は薄く剥いて表面に皮の緑色と果肉の黄色が奇麗な模様を作るような感じでね。

　スチームコンベクションでホックホクに火が通るまで蒸しておく。

　竹ぐしを刺してスッと通るような感じだったらオッケーだよ。

　次はベシャメルソースを作っていくよ！

　薄力粉をざるでこしながらフライパンに入れ、弱火で温める。

　人肌より暖かくなるくらいでいいよ。

　この一手間で出来上がりの時、粉っぽさがなくなるからね！

　無塩バターを加えしっかりとなじませる。

　ミルクを六十度程の温度に温めておき、四回に分けて加えていく。

　スパテラで混ぜながら一回ずつ、しっかりとなじませてね。

　ダマが無いようにしっかりと混ぜ合わせたら出来上がり！

　塩コショウで味を調えてね。

　グラタン皿にカボチャを並べ、ベシャメルソースをかける。

　その上にトマトスライス、カマンベールチーズ、フレッシュモッツァレラを見栄え良く並べ、パルメザンチーズをチーズグレーターで削りながら振りかける。

　オーブンを二百五十度に温めて、七分ほど焼くと出来上がり。

　二百度以下の低い温度で焼くと、焼き目が奇麗につかず香ばしさも出ないから温度は気を付けてね。

　さぁ実食！

「先輩！　このグラタン超綺麗ですね。チーズもたっぷりでトマトの赤色がアクセントになっててなんだか可愛いです。カボチャもホックホクでカマンベールチーズも最高に美味しいです。幸せだなぁ」

「うん。我ながら最高の出来栄えだよ！　ダンジョン栗カボチャならではの一味も二味も違う甘さとチーズの塩味がベストマッチだよね」

『セレクトスキルの選択権を取得しました』

【テレパシー】

【気配感知】

【スキル強化】

【スキル強化】

　あれ？　同じのが重なって出てる……

　これはどういう事なんだろう？

　きっと意味はあるんだろうね。

　でも、とりあえず今日獲得するのはテレパシーにしておこう。

　私がダンジョンの中にいる時は外への連絡はダンジョン通信のスキルで出来るけど、私がダンジョンの外にいる時にダンジョンの中にいる人への連絡は出来ないから、きっと必要になる時が来るはずだしね。

　とりあえずは鑑定っと。

～～～～

【テレパシー】

　任意の相手にパスを繋ぎ意思を疎通させることが出来る。

　相手とのパスが繋がってる間は相互に意思疎通が可能。

～～～～

　任意の相手かぁ漠然としてるけど、人とは書いてないからもしかして動物とかも意思疎通できたりしてね？

　まさか……そんな事はないかな。

　さってと、今日も寝るまでは、錬金作業で経験値稼ぎしちゃおう。

　三種錬金が可能になったおかげで、ポーションⅠを三個指定すれば、ポーションⅡには成功率百パーセントになった。

　ポーションⅡを三個指定すればポーションⅢには五十パーセント

　ポーションⅢを三個指定すればポーションⅣに二十五パーセントか

　現実的なのはここまでかな。

　でも材料がたくさんあれば回数をこなしてポーションⅧとかも成功の可能性は全然あるよね。

　ポーションのドロップ率とかもっと上がればいいのにな。

　……もしかして錬成が出来るって事は、ダンジョンの中には素材があったりするのかも。

　薬草とか、ダンジョン鋼やミスリルの鉱石とかあればいいのに。

　今度ダンジョンに潜る時にもっと注意深く見てみよう。

　きっとダンジョン内をくまなく鑑定すれば、あるような気がする。