第77話 ゴールドランクのステータス
「ただいま、杏さん」
「心愛ちゃんお帰りなさい、あのね、ちょっとお知らせ的な感じなんだけど、世界中で協会にスキルオーブのドロップが報告されてるわ」
「そうなんですね。ダンジョンの攻略を考えると素敵な事じゃないですか」
「そうなんだけどね、それが……結構しょぼいの」
「ぇ? しょぼいってどういう事なんですか?」
「例えば魔法なら【ウオーター】で水がでるだけとか、まぁ砂漠地帯の人達から見たらそれでも神スキルだけどね」
「あー魔法は魔法攻撃力と知能の値とかで結構効果に個人差もあるし、私のオーブ作成で作る時も同じように水魔法の中から一種類だけとかで作るから、予想の範囲内と言えばそうですけど」
「心愛ちゃんの持ってるようなスペシャルスキルは相当確率が低そうだよね」
「回数とかはどうなんですか?」
「あ、それもあったわね、ドロップごとにまちまちで、一回だけの物から回数制限無しで身に付く物まであるみたいだよ」
「それも私のスキルで作る場合と基本同じ仕様ですね。でも本当に役に立つ内容の回数制限無しは、もしかしたら私のお料理食べないと相当確率的に厳しいかもしれないですね」
「後ね、ドロップしたスキルオーブにタイマーみたいな数字が刻まれてるの」
「タイマーですか? どんなのだろう」
「確認されてるのは全て、ドロップした時点で二十四時間みたいで、どんどんカウントダウンされてるみたいね」
「なんの数字なのかな? 見当がつかないですね、私が作ったオーブはそんな条件は無いですし」
「協会に持ち込まれても鑑定だけしたら本人がそのまま持ち帰ってるから協会の手元には残って無いみたいだけど、買値の査定が出来ないからオークションになるしね」
「そうなんですね、オークションに掛かると、どれくらい時間かかるんですか?」
「大体三日だね、でも今回はそうなるとタイマーが0になっちゃうでしょ、だからオークションも普段は協会が預かって出すけど、どうなるか判らないから出すなら個人の責任でって言う事にして貰ってるそうだよ」
「うーん、解んないですねぇ、ちょっと下関で頑張って狩りして出してみるしか無いのかな?」
「出たら是非データ集めに協力して欲しいかな」
「了解しました」
「あ、それとね、さっき澤田課長から聞いたんだけど、冴羽さんって居たでしょ、あの人が急に協会辞めるとか言い出したそうなんだよ」
「あの凄い仕事出来そうな感じの課長さんですよね?」
「うん、でもゴールデンウイーク明けには協会の理事って言う、普通の会社なら取締役の立場になる事が決まってたから、何で今のタイミングなんだ? って感じなの」
「そうなんだ、色々あるんでしょうね、でもあの人ならどこに行ってもそれなりに、やって行きそうですけどね」
「そうね、澤田課長も言ってたけど能力は協会の幹部でも、ずば抜けた存在だって言ってたしね。でも出来る男って言うのは敵も多そうだし、それなりに苦労もあったのかしら?」
「大人の世界も大変ですね、杏さんでさえ仕事の話の時は澤田課長って呼んでるし」
「私は自分でルールをある程度決めないと、馴れ合いが激しくなっちゃいそうだしね。でも心愛ちゃんに一生寄生するから心配してないけどね」
「せんぱーい、たっだいまー。杏さんもただいま」
「お帰りなさい希ちゃん。何か変わった事とか無かった?」
「どうなんでしょうね、うさ耳付けたら感じ取れるだろうけど、そんなに変わったことは無いと思いますよ」
「心愛ちゃんはどうだった?」
「恐らく自衛隊の人かな? 敵意は全く感じなかったから、そのまま放置してましたけど」
「なら、いいけどね。今日も下関でしょ気を付けてね」
「はい、じゃぁ行って来ますね。帰ったらまた連絡入れます」
「あ、今日も後で少しミーティングあるから、私もここにいると思うわ」
「そうなんですね、じゃぁ早めに戻りますね。それとミーティングの後で少し相談もあるのでよろしくお願いします」
「了解よ」
◇◆◇◆
下関のマンションに転移で移動して協会に顔を出すと、ロジャー達が三人でコーヒーを飲んでいた。
「Hey心愛、今からかい?」
「心愛ちゃんお帰りなさい」
「もう十六層まで辿り着いてるぜ、今日中には二十二層に行くから十八時頃に一度ここに集合にして貰えないか?」
「凄いですね、もう十六層とか、チームシルバーはどうなんですか?」
「あっちはスタートが少し遅かったしまだ十層くらいじゃ無いかな?」
「そう言えば美咲さんは、どんな武器使ってるんですか?」
「私はこれよ」
そう言って取り出したの刀身の白い綺麗な刀だった。
「わー綺麗、どんな刀なんですか?」
「これはね、ドロップじゃ無くてダンジョン鋼にミスリルを少量混ぜて、日本刀の職人さんに打って貰った刀なの」
「素敵ですね」
「昨日のロジャーの戦いの中で、オーガキングのコアの位置が判ったから、次の攻略戦の時は私が前線に立って、グレッグとロジャーがサブで潜る予定よ」
「そうなんですね、凄いじゃないですか」
「二十三位の順位でボスの止めさしたら、シングルに届くかもしれないですね?」
「どうなのかな? シングルはもうずっと入れ替わりは無いんだよね」
「そうなんだぁ、あ、ちょっと三人とも、もう一度鑑定させて下さい。ちゃんとお礼もしますから」
「どんなお礼なんだい? 大人の男を満足させるには美少女のキス以上の報酬じゃないと駄目だぜ」
「きっと、そんなのより、もっと喜びますよ」
【鑑定】
冬月 美咲 25歳(女) LV58 ランキング 23位 シルバーランク
HP 5800
MP 580
攻撃力 100
防御力 58
敏捷性 58
魔攻力 58
魔防力 58
知能 58
運 100
ポイント496
スキル
◇◆◇◆
グレッグ・ブラウン 28歳(男) LV68 ランキング 4位 ゴールドランク
HP 6800
MP 680
攻撃力 100
防御力 68
敏捷性 68
魔攻力 68
魔防力 68
知能 68
運 100
ポイント616
スキル
ギフト:ソニックムーブ
◇◆◇◆
ロジャー・コネリー 28歳(男) LV69 ランキング 2位 ゴールドランク
HP 6900
MP 690
攻撃力 100
防御力 69
敏捷性 69
魔攻力 69
魔防力 69
知能 69
運 100
ポイント 628
スキル
ギフト:ギガントショット
流石だよね世界のトップは! ちょっといじって攻撃と運をそれぞれ上げて置いたよ、上げ過ぎない範囲でね。
「ロジャー、ギフトってどうやったら手に入るの?」
「ああ、初めてシングルプレイヤーになった時に身に付く。内容はランダムだ。このせいで一度シングルになると強さに隔絶した差が付くから、ダブルと入れ替わる事が滅多に起こらないな」
「ロジャーのギフトはどんなの?」
「俺のは攻撃する武器のサイズが巨大化する。威力もそれに応じて高まるが、剣や槍が巨大化しても扱えないから、弩弓を使ってる、これなら発射直後に巨大化出来るから問題無い」
「グレッグのは?」
「俺のは連撃可能な飛ぶパンチみたいな感じだな、威力は結構凄いぞ、ロジャーのに比べたら一撃は弱いがな」
「今度見せてね!」
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