第73話 日米トップの来訪
「ポーションⅧの入手先が確保できただって?」
「Ⅷだと? 存在したのか」
「俺が飛ばす! 何処に行けば良い? 南極でも行くぜ」
「グレッグちょっと落ち着け、入手は確実なんだからそう急がんでもいい、それより重大な話がある。ダンジョンが攻略された」
「なんだって? 中国か? それともロシアか? くそ、俺達より先にクリアだとかフザケンナ」
「熱くなるなグレッグ。日本だ、しかも民間探索者」
「What? 俺の聞き間違いか、もう一度頼む」
「世界初のダンジョン攻略は、民間探索者に拠って本日二十時に下関ダンジョンが攻略された」
「oh my God!」
「俺達は民間探索者に負けちまったって言うのか、世界最高の戦力で三千万USドル分の弾丸撒き散らかして」
「まぁそう言う事だ。どうやらその時のドロップでロジャーに使うポーションⅧも出たそうだ」
「という事で今から行く先は世界初のダンジョン攻略者の所だ。お前も会いたいだろ? 先方もお前たちに会いたいそうだぞ、どうやら昼の写真のリクエストの本人らしいからな」
「ボス? 俺を騙したのか?」
「何故そう思う?」
「チャーミングな女性だって言ったじゃねぇかよ」
「その通りだが?」
「なんだと? 女だっていうのか? どんなアマゾネスなんだ」
「行けば判るさ」
「あぁ、もう頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだぜ」
「さっさとロジャーを抱えてこい、今からすぐチヌークで飛ぶぞ」
「ラジャー」
◇◆◇◆
「澤田さん、私達も同行をお願いします。協力者の安全と自由は私が責任をもって守ります」
「このまま秘密にしようとしても国が本気を出せば、どうせすぐにばれるので、知って頂いた上で自由の保障を私としても選択します。対象者は日本ダンジョン協会博多支部所属S級探索者『柊心愛』今私の横に居る私の妹が、専任担当として当たっています」
「大島さんは澤田課長の妹さんだったんですか?」
「まぁそう言う事です」
「同行は米軍【DSF】マッケンジー長官、グレッグ大尉、ロジャー大尉、日本国自衛隊【ダンジョン特務隊】葛城一佐、君川一尉、冬月二尉以上六名が同行します。チヌークが用意出来ましたのですぐに飛び立ちます。目的地は博多ダンジョン協会のヘリポートです」
「本当にダンジョンを攻略したのですか? 民間人が? カラーズでも無かったはずですよね」
「はい、ダンジョン攻略後にブルーランクに上がったそうですが」
「そうですか……それでもブルーですか」
◇◆◇◆
「希、どうする? なんだか偉い人たちが来ちゃうみたいだよ?」
「先輩、私帰ってもいいですか? 日向ちゃんとお茶してダンジョン動画の事とか話したいし」
「うん、その方が良いと思うよ。私は杏さんが一緒に居てくれるから大丈夫だよ」
「じゃぁ帰ります。先輩ゴメンネ。朝来ますね!」
協会の方に来るんだったら西新にテレポしておこう。
それから二時間程経ちテレビのニュース番組を視ていたら、ヘリコプターの音が聞こえて来た。
「わーメチャ大きいヘリコプターだ。あんなのあるんだね」
チヌークでは結局ダンジョン協会のヘリポートへは着陸できずに百道浜への着陸となったみたいだ。
杏さんから電話かかって来たけど音が凄くて全然、聞こえなかった。
「メールにしてぇ」って叫んだよ。
あ、私がそうメールで送ればよかったんだ……
協会に到着したって言う連絡があったのでマンションから私も協会へ移動した。
「早速ですが、まずポーションを譲って頂いてよろしいでしょうか?」
「はい、これが【ポーションⅧ】です」
「ありがとうございます。早速使用させていただきます。彼はアメリカの誇る世界最強に最も近い男ですから、この【ポーションⅧ】を使うに値するだけの存在です」
「お役に立てたなら良かったです。取り敢えず治療を急いで上げて下さい。挨拶はその後で」
「はい、助かります」
杏さん以外の七人は全員ポーションに拠る再生治療に興味を持ち、治療室へと移動した。
「杏さん、お帰りなさい」
「心愛ちゃん、こんな時間にごめんなさいね。明日学校きついようなら、私が連絡入れてあげるわよ? 国の重要な用事でって」
「大丈夫です、まだ若いですから」
「あれ? そのセリフは私に当てつけてるかな??」
「そんな事ないですよ、杏さんも十分若くて素敵な女性じゃないですか」
「そう? それならいいけど」
何だか、治療室の方で歓声が聞こえた。
随分賑やかな人達だな。
「クソッ死ななかったか」
「お前が死ね!」
「お前たちは回復した瞬間にそれか……」
「罰だ、当面二人共攻略任務から外して、柊さんの護衛任務を命じる。恐らく各国諜報が接触を狙って、あらゆる手を打ってくる。お前たちが体を張って守れ」
「
「マッケンジー長官、護衛は自衛隊から出しますから大丈夫です」
「いえ、中国やロシアを甘く見てはいけません。こいつらは性格はこんなですけど、実力は世界屈指ですからお任せください」
「冬月二尉、柊心愛さんは女性で高校生だ。屈強な男性二人ではガードが困難な場所も多い、君も一緒についてくれ」
「了解です」
なんか……勝手にとんでもない話が始まってるような気がする。
「杏さん……」
「困ったね……」
「断れないですよね?」
「どうだろ? 一応言って見るけど、どっちも国のメンツとか言いだしそうだね」
「杏さん?」
「ん?」
「護衛って私の実験とかに使ったら怒られますか?」
「どうでしょ? 大丈夫かもね? みんな丈夫そうだし足二本くらいまでなら、もいでも良いんじゃない?」
「どこのフランケンシュタイン伯爵ですかそれ?」
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