第48話 スープカレーとトラップ解除
家に戻った私は早速今日の戦果である『アリゲーターミート』を使った料理を作ることにして日向ちゃんに連絡を入れた。
『心愛先輩こんばんはー、今から料理始めるんですか早速向かいます! 新作の動画も持っていきますから確認お願いしますね』
『了解だよ、待ってるねー』
待ってる間に献立を考える。
ワニさんのお肉かぁ、流石に使った事無いけど、お肉を見ただけでイメージは出来てるんだよね。
このお肉だと『スープカレー』が良いと思う。
スパイシーに仕上げて、お野菜もたっぷり入れて作ろう。
日向ちゃんが到着したので早速料理を始めることにする。
ちょっと時間の節約で、スパイスは合わせてあるのを使って、丁寧に弱火でフライパンを使いカレー粉を炒める。
香りが出てきたら、若干の小麦粉も加えて、更に粉を炒める。
小麦粉を加える時には、ちゃんと振るいにかけてから加えるとダマになりにくいんだよ。
そこにアリゲーターミートの皮と身の間に合った脂身を加えて、無塩バターも少し加える。
全体的に滑らかに一塊になった感じで一度火を止めて、置いておく。
並行して、デリシャスポーションで、根菜のジャガイモと人参を冷たい温度から煮る。
アリゲーターのお肉は、一口大に切り分けて玉ねぎと一緒にしっかりと炒める。
煮立っているお鍋の中に、炒めたアリゲーターと玉ねぎを加えて中火で、ゆっくりと煮込む。
その間に今度は
パプリカの赤と黄色、オクラとおナスを大きさを揃えてカットしたら、高めの温度の油をくぐらせて、色を出す。
お肉の煮え加減を確かめたら、最初に作ったルーを加えていく。
自分好みの濃さになったら、色だしをした、彩野菜を加えて、もう一煮立ち。
これで火を止めて出来上がり!
我ながら中々綺麗に出来上がっちゃったな。
炊き立てのご飯を用意して、スープカレーは小ぶりのボール型の器に入れようかな。
さぁ実食!
日向ちゃん用のデリシャスポーション抜きバージョンもちゃんと用意してあるよ。
シルバーの大きめのスプーンでご飯を先に掬う。
ご飯の入ったスプーンで、カレースープを掬って、口に運ぶ。
「めっちゃ幸せ……」
日向ちゃんも気に入ってくれたようで、とろけたような表情をしてた。
「心愛先輩! こんなに美味しくて綺麗なカレー初めて見ました。この動画も絶対バズりますよ。そう言えば昨日のダンジョン探索バージョンと、豚汁バージョンの動画も出来上がってますから早速確認をお願いします」
「了解! って日向ちゃん仕事早いねー。ちゃんと睡眠取らないとダメだよ」
「大丈夫です。慣れてるから……でも昨日、希から預かった戦闘シーンの動画なんですけど魔法って凄いですね。しかも希も普通に使ってるし、びっくりしましたよ。もしこの魔法シーンとかアップしちゃったら登録者数とか世界規模で爆上がりですね」
「そのうち公開しても大丈夫! っていう日が来るかもしれないけど、今はまだ色々影響がありすぎるって思うから内緒でお願いね」
「はい! それはわかってます」
二人でカレーを食べながらノートパソコンで動画を確認してOKを出すと「帰ってから早速アップしますねー。カレー御馳走様でした」と言って日向ちゃんは帰って行った。
でもスープカレーは想像以上に美味しかった。
『デリシャスポーション』って何の料理でも超合うんだけど、どんな成分なのかな?
『セレクトスキルの選択権を取得しました』
【土魔法】
【風魔法】
【雷魔法】
【トラップキャンセル】
あ、これって罠解除だよね? 嬉しいなぁ。
これで宝箱諦めなくて済むよー。
十六層から先はフロアのトラップも即死級のが登場するらしいから、このタイミングは嬉しいなぁ。
一応鑑定してから取得しよう。
~~~~
【トラップキャンセル】
宝箱やダンジョン内に設置された罠を解除する。
~~~~
そのまま過ぎるけど、これで安全度は大きく高まったよね。
千葉ダンジョンと渋谷ダンジョンの写真とデータも届いてるね。
今まで届いてるのと一覧で纏めてみよう。
博多ダンジョン『NO386ダンジョン 階層数42 Cクラス 現在到達階数22』
札幌ダンジョン『NO245ダンジョン 階層数58 Bクラス 現在到達階数19』
仙台ダンジョン『NO426ダンジョン 階層数28 Dクラス 現在到達階数19』
水戸ダンジョン『NO125ダンジョン 階層数84 Aクラス 現在到達階数16』
千葉ダンジョン『NO495ダンジョン 階層数26 Dクラス 現在到達階数20』
渋谷ダンジョン『NO38ダンジョン 階層数175 Sクラス 現在到達階数28』
まだ、全部見て無いからはっきりは解らないけど、今一番攻略に近いのは千葉だ。
千葉は鑑定ルーペも持っているし探索者多いから、遠くないうちに踏破されそうだよね。
でも自衛隊が潜っている横浜と大阪と金沢の三か所も十分に可能性あるよね。
一般探索者だと二十五層まで行くのは、装備的に無理っぽいし。
わぁSクラスダンジョンも存在してたんだねぇ。
杏さんが帰って来たら、本格的にダンジョン攻略も考え始めないといけないけど、私達三人だと出来る事なんて限られるよなぁ。
澤田課長は信用出来そうな人だけど、協会の中枢に近い人だから協力を仰ぐのは難しいかな?
他に当てになりそうな人は、東京から来たって言ってた冴羽さん?
あの人は私の勘だと、なんだかダンジョン協会なんてどうでもいいような感じがしたんだよね?
自分の利益なのか、知識欲なのか、出世欲なのか何かを求めているのは間違い無いけど、決してダンジョン協会の利益だけにこだわっているようには見えなかったな……
怖いから今の所は近づかない方が良いかな。
さぁ明日は十二層だね、氷の階層かぁ。
火魔法中心の組み立てが良いのかな?
通常ボスのアイスウルフってなんか名前がかっこいいな。
打撃が有効なのか。
私に持って来いじゃん。
明日に備えて早く寝よう。
◇◆◇◆
「せんぱーい、おっはようございますー」
今日も元気に希が登場した。
気付かなかった振りをして、先に着替えてから出ようかな?
「せーんぱーーーいい、おっはよーーございまぁああす」
「ちょっと、朝から近所迷惑だから止めてってば」
「だってぇ、今日のパジャマも可愛いですね」
と言いながら抱き着いて来た。
「いいから臭いを嗅がないでって」
「先輩の匂いで頭を覚醒させてるんですから、大人しくしてください」
「訳解んない事言って無いで、昨日教えた通りにコーヒー淹れといて、ちょっと希の唾液が飛んできたからシャワー浴びてから行くから」
「えぇ、何だか私の扱いがばい菌と同じような気がしますよ?」
「あ、そう言えば、昨日【浄化】覚えたわね。こんな時にも使えるのかな?」
【浄化】
む、これは便利かも、寝起きのちょっと汗臭さいパジャマも、洗濯したての様な爽やかさだし、私自身もシャワー浴びた時よりすっきりしてるよぉ。
ちょっと、それに使うには消費MP高い気もするけど、今からだと学校に行くだけだし、別に勿体なくないな。
朝は毎朝これで済ませちゃおっと。
「先輩【浄化】ってそういう使い方するもんなんですか?」
「別に使い方は自由なんじゃない? 便利なんだし」
「そっか、私も頑張ってレベル上げて早く使いたいですぅ」
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