第30話 七層突破

 七層の階段へと続く守護者の部屋へと辿り着いた。


「ん、リッチだぁ」


 レアボスが現れていた。


「希、ちょっと危険かもしれないから離れててね、敵の強さよりもフレンドリファイア的な意味で」

「はい、大丈夫ですか? 凄い強そうですよ?」


「まぁ余裕だとは思うから」


『ホーリーアロー』

 

 うん、一撃だった。

 何が起こったのかもわからないような感じでレアボスリッチは消滅した。


 そして、レアボスだとほぼ五割の確率で現れる宝箱、恐らく世界一高い運の数値を持っている私の前には当然現れた。


「また杏さんにちょっとジト目で見られちゃいそうだよね」

「あの……色々知ってしまった私でもジト目で見ちゃいますよ」


「でも、できる事はしょうが無いじゃない」

「レアボス一撃って折角出て来たのに可哀想とか思うくらいにチートですよね」


「あ、どうしよう罠がある」

「宝箱にですか?」


「うん……罠を解除したらいいんだけど私にはできないし、ここで危険を冒す必要も無いから諦めよう」

「勿体ないとか無いんですか?」


「ダンジョンの死亡事故は殆どが宝箱の罠なんだよ。知ってた?」

「いえ、知らなかったんです」


「私は命大事に! が基本だからね。大丈夫かも? じゃダメ! 絶対安全か絶対対処出来るのどちらかの条件が無いと、危険を冒せないよ」

「凄いですね先輩」


「そのうち罠解除とか専用のスキルが手に入るかもしれないし、それまでは手を付けない方が良いかもね」

「このまま置いて行って他の人が罠に嵌ったりしたらいけないから、消えるまで待とうね」


「解りましたぁ」

「ちょっと希、鑑定してあげるよ」


「お願いします」


【鑑定】

真田 希 16歳(女) レベル11  ランキング 2,264,352,246位


HP  2500

MP    90

攻撃力   28 

防御力   27

敏捷性   27

魔攻力   11

魔防力   11

知能    11

運     52


ポイント  20 


 覚えて無いけど凄く順位上がってるんじゃない?


「あ、凄いですー七億位くらい上がってるかも! メチャ凄いですー」


「今の希のレベルはね十一だよ。これで大体どの階層まで行けるか見当が付くからね」

「レベルも存在してるんですね。先輩のレベルはいくつなんですか?」


「私も鑑定してみるね」


  柊 心愛 17歳(女) レベル20 ランキング1,438,069,252位


HP 2300/2300

MP  230/230

攻撃力  53  +-

防御力  24  +-  

敏捷性  24  +-

魔攻力  52  +-

魔防力  24  +-

知能   24  +-

運   102  +-


ポイント 20  +-



スキル:【鑑定】【超成長】【ステータス調整】【アイテムボックス】【聖魔法】【水魔法】【転移魔法】


 あ、私も今日は一億位くらい上がってるぅ。

 なんだか、この数字が上がるのはワクワクするよね。


「私はレベル二十だよ」

「先輩……私が思ってたより普通の人っぽいレベルですね。レベル三千八百とかあるのかと思ってた」


「どこの魔王よそれ」

「ねぇ先輩、カラーズの人達でレベルどれくらいなんですかね?」


「他の人は人のレベルを見る事が出来ないと思うから、公式発表は一切無いし、凡その予想でしか無いけど、シングルの人達でもレベル七十は超えて無いと思うよ?」

「そうなんですね、その予想の根拠はどんな予想なんですか?」


「そうね、到達階層かな。最先端のアメリカとロシアの探索隊が三十二層にしか届いてないみたいだし、魔物はね、通常は階層数イコール魔物レベルなの。だから倍もレベル差があれば、武器攻撃だけでも突破は出来ると思うから、その辺りだと思うんだよね」

「なるほどですねー、でもどうなんですか? 先輩みたいに魔法が使えたりすると何層まで行けるとか予想付くんですか?」


「敵を鑑定したら、結構弱点とかもわかるし、四十層とかなら一人でもなんとかなるかもね?」

「凄いですぅう、それは私も一緒に行けるんですよね?」


「そうね、希はもう私の相棒バディなんだから、一緒に行けたらいいと思ってるよ」

「先輩ぃ私メチャ感動してます。でもいいと思ってるとかじゃ無くて、一緒に来てって言って欲しいですぅ」


「希、覚悟は決まってるの? いい事ばっかりじゃないよ?」

「私は先輩とずーっと一緒に居たいんですぅ」


「あのね、私は普通に恋愛して結婚するんだから、その表現はなんだか嫌だよ」

「先輩、ぶれないですね」


「下に降りたら『ダンジョンリフト』で戻るよー」

「はい、了解です」


「明日は先生を案内する日だから、八時に駅集合だからね、橋本先生も来るんだって」

「えぇそうなんですね、野中先生って橋本先生狙ってたりするんですかね?」


「気になるよねそれは!」


 宝箱が消えるのを確認してから、八層への階段を降りると情報通りの砂漠っぽいステージだった。


「今日は戻るけど、明日は先生に付きあって、明後日この階層の攻略するからね」

「了解です。家に帰ってサイトで私なりに情報仕入れておきますね。それと今日の動画はほとんどアップできない内容が多いから、がっつり編集しておきます!」


「7チャン情報は危険だからね?」

「解ってますよぉ」

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