第15話 パーティー作成

【パーティ作成】を取得した。


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『パーティ作成』

 任意の一から五人をパーティに加える事が出来る。

 パーティメンバーがラストアタックをした場合、経験値はパーティ内で均等に振り分けられる。

 但し同一階層内での討伐の場合に限定される。

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 最大で六人パーティって事だよね?

 思った通りだけど、ステータス調整が出来るのかどうか解んないな。

 もしかしたら、パーティ作成を取得したことで、『ステータス調整』の表示が変わっているかも知れないと思って、ステータス調整を鑑定してみた。


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『ステータス調整』

 自分及び同一パーティのメンバーのステータスを調整できる。

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 ビンゴだ!

 これで希のステータスもいじれるわ。

 

 希ってどんな武器使って狩りしてるのかな?

 まぁ明日学校が終わってから、聞いてみよう。


 ランキングの仕組みは恐らく振り分けた数字は、関係ないみたいだよね。

 恐らく既に振り分けられているステータスの数字と振り分けて無いポイントの合算でランキングが出ているんだろうね。


 これは、私のランキングが上がりにくいから、私的には歓迎すべきシステムだよね。

 後、気になるのは『不思議なペットボトル』って他にもドロップするのかな?


 もし他にも存在するなら、スキルの存在が一般的になっちゃうよね。

 少なくとも現時点では、この一本しか無いのは間違いないはず。

 常にアイテムボックスの中に入れて持ち歩いた方が良いのかな?

 でも……アイテムボックスは、時間経過無しだから使った分が復活しないかもしれないよね?


 よし『不思議なペットボトル』はマジックバッグの中にしまう事にしよう。


 でもそれはさておきダンジョン配信かー……

 それってやっぱり当然、顔出しなんだよね? 杏さんとの会話からでも私の実力って普通じゃないような事言ってたし、普段道理の狩りを配信にアップするのは結構ヤバいかも。


 希が凄い乗り気だから今さら「やっぱりやめたー」なんて言いにくいしどうしようかな?


 ◇◆◇◆ 


 朝ご飯を食べながらテレビを視ていると、昨日の博多ダンジョンの事件を報道していた。

 被害者の名前が出され、遺族の方のコメントが流されていた。


 でも、遺族の方達ってみんな判で押したように、ダンジョンに入れるようにした行政が悪いとか、ダンジョン協会が安全を確保していない不手際に対しての賠償責任があるとか、人のせいにしている様な感じだけど、誰も「ダンジョンに行け」って命令した訳でも無いし、自己責任で怪我や死亡のリスクがある事がダンジョンカードを作る時の講習会で、はっきりと説明されているのに、何で今更そんな事言いだすんだろう?


 通常出ない敵が現れたのが問題で、管理責任があるんじゃないかとか言ってるけど、この階層にこの敵しか現れませんなんて、ダンジョン協会も国もそんな発表は一切して無いから、探索者たちが自分達で編集している情報サイトを鵜呑みにして、危険が無い階層とか勝手に判断してるだけなんだよね。


 自分たちが魔物を殺す事は合法で、自分達が傷付く事は違法だって言う理論が理解出来ないよ。


 殺す以上、殺される覚悟はあって当然だと思うよ?

 てか私の発想って、女子高校生らしくないかな?


 でも今回の事件で探索に行く人たちもリスクに対してもっとシビアになってくれる事を願うしか無いよね。


「心愛、難しい顔して何を考えてるの?」

「あ、ごめんなさい。何でも無いよ」


「ダンジョン……お母さんはあんまり行って欲しく無いのが本心だけど、心愛が自分で決めた事を否定する事もしないから、お母さんを悲しまさせないでね」

「解ってるって、何があっても私はお母さんをちゃんと看取るまで先に逝ったりしないから、安心してって」


「嬉しいんだけど、看取るって言われちゃうと、私がもう死ぬみたいな感じがして何だか微妙な気持ちになるわね」

「まだまだ五十年以上は先の話だから気にしないで」


 ご飯を食べ終わり学校に向かう。

 学校に到着すると校内放送があり臨時全体朝礼があるとの内容だった。


「何だろうね?」


と、周りの友達に聞くと


「心愛、ニュースとか見て無いの? 昨日のダンジョンの事故で死んだ子の中でうちの学校の子が二人いたんだよ」


「ぇ、そうだったんだ。気付かなかったな」

「気づかなかったって心愛、昨日ダンジョンで事故の現場見かけたの? でも二人共ほとんどプロ探索者みたいな感じで学校あまり来ないでダンジョンばかり行ってるような子だったから、私も面識は無いけどね」


「昨日はその時間に丁度事故の現場に通りかかったの。学校からダンジョンの事で何か規制が有ったりしちゃうのかな?」

「可能性はあるよね」


 朝礼の内容は昨日のダンジョンの事故で生徒二名が巻き込まれて死亡した事と、希たちのパーティの生徒二名が重傷を負った事が伝えられた。


 原則としてダンジョンの探索を生徒に行って欲しくは無い事を伝えられたが、既に探索者として活動している生徒が多い事もまた一つの事実としてあるので、若干引き締めたルールを課せられることになった。


 今後、在学中の新規のダンジョン協会での登録は、保護者同席の下で学校に許可を取った場合のみ認める事。

 現在探索者カードを所持している生徒も、保護者に署名捺印して貰った書類を提出する事が伝えられた。


 探索を希望する生徒は職員室へ書類を取りに来るように伝えられたので、私は朝礼後にすぐ職員室へと向かうと、既に五十人ほどの生徒が集まっており、うちの学校に探索者ってこんなに居たんだと、ちょっとびっくりしちゃった。


 担当の生活指導の野中先生も、こんなに来ると思って無かったらしくて、急遽場所を講堂へ逆戻りする事になった。

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