二◯二四年 三月【俳句】

春の闇母のはらより流れ着き


うらうらとうたた寝し諸手にビスコ


生きづらき世にこそ根張ねばれ雪間草


春障子指の小穴に猫を見ゆ


帷子雪被きて児と行軍す


春の鴨卒園式に飛び立ちぬ


春塵やSNSに書き連ね


忘るるな災害碑抱く姥桜


春疾風宅配便と駆けくらべ


喇叭水仙三語文始め立て


菜の花と群れなすランドセルカバー


青き踏む幼子の意気羨まし


ひとつとて同じく散らぬ紫木蓮


今昔のぶらんこ乙女子語らい


花ミモザ海老茶袴に挿頭したり


本日のおやつ白玉彼岸講


鉢植えの底に思い出ヒヤシンス


あらせいとうボンボンゴム群れ咲きて


糸桜滴るや泉下の人に

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