第148話 武者修行の旅、開始
俺とケイヤはニコライ団長に連れられ、彼の執務室へと入った。ニコライやケイヤの他にも女性士官らしき人と髭を生やしたおっさんも一緒であった。道中でニコライがその二人を呼び出したのである。
「さて、それじゃあ詳しい話を聞かせてくれないかい?」
ニコライ団長は相変わらず笑みを浮かべていたが、妙に迫力があるというか、自然に佇まいがピンとなる。
(うーん、やはり竜の話をあそこで出したのは間違いだったか?)
しかしもう後の祭りである。
俺はケイヤに持ち掛けようとしていた話をニコライたちの前で暴露した。
「なるほど、あのディオーナさんがねぇ……」
「団長! ぜひ、私をドラゴン退治に参加させてください!!」
ケイヤは想像以上に乗り気であった。憧れの人物と一緒にドラゴンを狩るというのだ。武を志す者として、これ以上の喜びはあるまい。
「ケイヤ! 立場を弁えろ!!」
「――っ!? はっ! 失礼しました! 副団長殿!」
どうやら髭のおっさんは聖騎士団の副団長らしい。ぱっと見、彼の方が団長っぽい威厳のある外見をしているが、実際のトップは横で座っている優男である。
「話は分かったよ、イッシン君。このドラゴン退治、聖騎士団も一枚噛ませてもらえないか?」
「だ、団長!?」
「それは拙いですよ!!」
ニコライの左右に立っていた副団長と女性士官が慌てだした。
「その火竜がいる島は間違いなく獣王国が領海だと主張する島の筈です! そこへ勝手に聖騎士団を派遣するなど……国際問題になりますよ!!」
それはそうか。国に所属していない冒険者と違って、国家の顔でもある聖騎士団が勝手に他国の領地で戦闘行為をする訳にはいかないのだ。
「ああ、すまない。少々語弊があった。正確には聖騎士団入隊希望者を派遣する」
「……は? なんです、それは?」
女性士官が困惑していた。
「あのぉ、さすがにあの火竜は甘くないですよ?」
聖騎士にもなっていないひよっこに討伐できる程、あの竜は生易しくない。この場で唯一火竜を直接見た俺が意見を述べた。
「ああ、どうも私は言葉足らずだねぇ。当然それは熟知しているよ。入団希望者というのは言葉の綾で、聖騎士団から討伐隊を募って一度除隊してもらう。そしてドラゴン退治を終えたら再び入隊してもらう。そんな感じでいこうと思うんだけど、どうかな?」
「どうかなって……そんな屁理屈、通るんですか?」
逆に俺が尋ねると、副団長と女性士官は難しい顔をした。
「まぁ……獣王国の鼠どもも負けず劣らず屁理屈連中だからなぁ」
「いやいや、そもそも王政府が許可を出すと思います?」
「んー、大臣辺りは大反対しそうだけど、最終的に王様がGOサインを出すんじゃない?」
それ、アリなのかぁ……アリなのかなぁ……?
「それじゃあ、ニコライ団長も参加されるんですか?」
もしそれが実現するのなら、こんなに強力な味方はいないだろう。
「いや、残念だけどそれは無理だね。私が王国を出る事はない」
「うむ。団長や騎士団の精鋭は動かせない。例え僅かな時間でも、王国を留守にする訳にはいかない!」
それはご尤もである。
「では、人選はどのようにされるのでしょうか?」
ケイヤが恐る恐る尋ねると、ニコライは顎に手を当ててしばらく考えてから口を開いた。
「確か討伐予定は三カ月後だったね? なら、これからひと月使って、若手聖騎士から希望者を募って選抜させよう。私が問題無しだと判断した者を討伐隊に参加することを認める」
「団長!?」
「い、いいんですか!?」
「勿論、王政府にきちんと打診した上で選抜を行う。メンバーの上限は、そうだなぁ……多くて5人、といったところか。ただし、討伐隊に不相応だと判断した場合には、参加者ゼロということもあり得るだろう」
「――――っ!?」
ケイヤが息を呑む。
「ケイヤ、君も選抜に参加して、己の力量で討伐隊の席を勝ち取るんだ。いいね?」
「は、はい! ありがとうございます!」
ケイヤは本当に嬉しそうに頭を下げた。
「いや、まだ礼には早いってば。王政府が駄目って言ったら駄目だからね?」
ニコライがやんわりとケイヤに言い聞かせた。
「イッシン君。そんな感じでどうかな?」
「えーと……一応リーダーは俺という事になってますが、主催者はディオーナさんでして、一度聞いてみないと何とも……」
ただ、連絡しようにも彼女は姿を消してしまった。ギルドに伝言でも残しておけば返答が来るのだろうか?
「なあに、ディオーナさんなら問題無いだろう。あの人は私が若い頃、散々虐められた仲だ。その分、彼女の性格も大体把握している」
なんとあの婆さん、ニコライ団長ともコネクションがあったようだ。
「ただ気になるのは火竜の強さだな。君の話を聞く限り、生半可な竜ではなさそうだが……どうだろう? 私がソロで戦ったら勝てそうかな?」
「え、ええ……!? どうでしょう……」
「予想でいいよ。ただし、正直に話してね」
うーん、この人も相当だと思う。思うのだが……
「…………厳しいと思います。ディオーナさんと二人掛かりなら勝てるような……」
「「「――――っ!?」」」
これには団長以外の聖騎士団メンバー全員が驚いていた。それほど団長の強さに信頼を置いているのだろう。
「ありがとう。これで選抜の基準も大体決まったかな。最低でも、集団で私に一本取れなければ火竜討伐の参加は認めない!」
「なっ!?」
思わずケイヤが声を上げた。その表情は真っ青だ。それほど彼から一本取るのは難しいのだろうか。
「当然、それくらいはやってもらわないとね。貴重な人材をみすみすドラゴンの餌にする訳にはいかないよ」
「うぐっ……死力を尽くします!」
「うん、言い返事だ」
なるほど、見かけはあれだけど、やはり彼は一団の長らしい。
「イッシン君。最悪、聖騎士団からは参加者ゼロかもしれないので、それを念頭に入れておいてね」
「は、はい。ですが……そこまでリスクを冒して、そんなに火竜を退治したいのですか?」
「それは野暮なことを聞くもんだねぇ。じゃあ、君はどうして竜を退治したいんだい? 困っている人を救う為かな?」
改めてそう問われると少し困ってしまうが……
「……いえ、自分の為ですね。名声とか実力試しとか……そんな俗な考えです」
俺は正直に話した。火竜もいい迷惑である。
「我々も同じだよ。ドラゴンスレイヤーの称号は戦士なら誰もが欲するさ。ここ最近、この付近に竜なんて現れていなかったし、君の提案は渡りに船なんだよ」
「確かにその通りだ。ドラゴンスレイヤーがいるとなれば、聖騎士団にも箔が付く。それに先の帝国との戦争でも消化不良気味で、若手に経験を積ませられなかった。魔物相手とはいえ、命のやり取りで得られる経験値は馬鹿にならん」
ニコライ団長に続いて副団長も説明してくれた。
確かに、俺もデストラム戦で死ぬ思いをして、それでだいぶ成長できたと思っている。実際、この世界ではその死闘による経験値の取得が馬鹿にならないのだ。ニコライ団長はそれを期待してのドラゴン退治参戦を熱望したのだろう。
それから大雑把に話を詰め、一カ月後に聖騎士団から参戦についての正式な返答を頂ける運びとなった。これから丁度一カ月後に王都へ来るよう言われた。
ニコライ団長の執務室を出た俺とケイヤは歩きながら話した。
「イッシン、声を掛けてくれてありがとう。良い目標ができた!」
「けど、あと一カ月であの化物……団長から一本取れるのか?」
「…………やってみる」
ケイヤにしては歯切りが悪い。それほど難しい条件なのだろう。
「それにしても、あれが噂の王国最強かぁ。確か闘力が50万以上、だっけ?」
「うっ!? そういえばそんな事を君にも話したか……。すまない、一応団長の闘力は極秘情報なんだ。あまり吹聴しないでくれると助かる」
「あー、ごめん。俺の方こそ配慮が足らなかったな」
俺はケイヤから聞かされたが、ニコライ団長の闘力が50万オーバーという噂は結構有名な話らしい。ただし、あくまで噂であって公式には何も発表されていない。
これがただの町民がする噂話なら良いのだが、ケイヤが発言したとなると事情が変わってくる。聖騎士団員からの発言はそれだけで公式発表と捉えかねないのだ。
俺はケイヤと当たり障りない雑談をした後、時間が迫ってきたので分かれて第一区から出た。
スマホを取り出して佐瀬タクシーを呼びつける。
「うん、これで少しは戦力が整ってきたな」
若手とは言え、ケイヤ級の戦力が5人増えるのは非常に大きい。まだ正式に決まったわけではないが、これで火竜討伐に一歩前進だ。
「俺たちも、もっと強くならなきゃな……!」
またどこかのダンジョンに潜るのが先か、それともゴーレム君を対火竜用にカスタムする方が先決か、俺は悩みながら佐瀬タクシーを待った。
「――――と、いうわけで、ダンジョンに行こう!」
「どういうわけよ……」
いきなりの発言に佐瀬が呆れていたので、俺はキチンと端折らずに説明をした。
「へぇ、火竜退治に備えて武者修行ねぇ……」
「しかもゴーレム君用の強化素材も収集すると……」
「行こう! 初めての半島の外……楽しみだなぁ!」
そう、俺はバーニメル半島の外にあるダンジョンに行く事を提案した。
これは先日ディオーナ婆さんから聞いた話だが、バーニメル半島から東にある大きな島に、水棲魔物が出てくるダンジョンがあるらしいのだ。
ゴーレム君を対火竜用にカスタマイズするとなると、真っ先に思い浮かぶのは水の加護を持つ魔物の素材で強化する案だ。ただし、水の加護持ちの大半が水中で生活しており、効率よく遭遇する為にはダンジョンが最適なのだ。
この国にも水の魔物の多いダンジョンは一応ある。俺たちも一度行った王都近くの浮島ダンジョンだ。ただあそこは足場が悪く、激流の川が多いので折角倒した魔物のドロップが流される事も多々あるのだ。さすがにシグネのように飛び込んで戻ってくる真似はあまりしたくない。
そこで経験豊富なディオーナにどこかお勧めのダンジョンは無いか尋ねたら、その島のダンジョンを教えてくれたのだ。
「半島の東と言っても、船だとかなりの距離があるらしい。ディオーナさんもメルキア大陸東部の国から船で渡航したそうだ」
「正確な位置は分かるの?」
「いいや、だから教えられた港から船で行くのが最善だと思う。一度位置が分かれば、今度からは空からでも行けるかもしれないしね」
そんな形で俺たち”白鹿の旅人”は初のバーニメル半島外での活動をすることになった。俺だけは一度、聖女ノーヤでバーニメル山脈を越えていたが、あまりゆっくりと外の観光を行なえなかったので、実質初めてともいえる。
「日本連合国には行かないの?」
「うーん。あそこは今、きな臭いんだよなぁ……」
この世界の国家と色々揉めているようだし、現状ではあまり立ち寄りたくない。別に誰かが襲い掛かって来ても返り討ちにすればいいのだが、全て倒して「はい、お終い」とはいかないだろう。
(それに、あの聖騎士団長のような化物がいないとも限らないしね……)
国家間の争いとなれば、闘力数万クラスの者も出てくるかもしれない。そんなのに命を狙われるのは御免である。ここは少し静観の構えだ。
「今日は一日、遠征の準備期間に当てて、明日から出立でいいか?」
「「「異議なーし!」」」
そんないざこざに関わるよりも、ダンジョン攻略の方がよっぽど建設的である。それに強くなればその分だけ自分たちの道理を貫き通せるというものだ。
そして翌日、俺たちはいよいよバーニメル半島の外に出た。
「わー! もう海に出たよ!」
「さすが空だとあっという間ね」
一度東側を目指し、鹿江港付近に出てきた。
「こっから迷わない様に沿岸沿いに飛行する。最初の目的地はメルキア大陸東部にある国、西ラビア王国だ」
メルキア大陸は大きく分けて四つの地方で分けられている。
この大陸の覇者、バハームト王国のある東部地方
大陸最大の宗教国家がある中部地方
小国家が乱立している西部地方
そして西部地方から山脈を経て南にあるバーニメル半島である
この中ではバーニメル半島が一番小さい。バーニメルに住む人たちがよく“大陸中央部”と口にするのは、半島以外全ての地方を指している。
「例の日本連合国は西部地方にある訳ね」
「ああ、そうだ。今回俺たちが目指している西ラビアは東部地方でも最西端の国らしい。経度的には大陸のほぼ中央よりだな。その南部には大小様々な島があって、その中に例のダンジョンがあるらしい」
その諸島は以前、検問所で俺たちの出自を誤魔化す際に利用させて貰った場所だ。そこの諸島には小さな無人島からエイルーン王国以上に広い島も存在するらしい。
残念ながらその諸島への定期便はバーニメル半島内からは一切出ておらず、ディオーナ婆さんは最寄りである西ラビア王国から船でその島を訪れたらしいのだ。
今回俺たちも、婆さんと同じルートで行ってみることにした。
(西ラビアまでは空路だけどね)
ただ、全て空を飛んでの旅だと情緒もへったくれもないので、道中適当な場所で降りることに決めた。俺たちは冒険者なのだから、多少は冒険をしてみたいのだ。
休息を挟んでエアロカーを飛ばし、丁度10時間くらいとなった。
「……さすがに一日では着かないか」
「地上を確認しながらだし、難しいよね」
名波の言う通り、目的地さえしっかり定まっていれば最短距離で飛べるのだが、詳細な地図もレーダーも無い初めての場所での飛行はそれだけ神経を消費するのだ。
「ここはどの辺りなのかしら?」
「うーん、空からだと全く分からん……」
「あそこに見える町で降りて、今日はそこに泊まろうよ!」
シグネの指差す方角に町が見えたので、今日はここまでにして降りることに決めた。
「エアロカーは隠すの?」
「……最初はそうだな。様子見だ」
ただ一夜泊まるだけの町中で騒ぎは御免である。適当に人気のない場所で着陸してからエアロカーを収納し、俺たちは徒歩で町へと向かった。
その町は思った以上に栄えていた。
規模はブルタークほどもないのだが、港があるお陰か人や馬車が沢山行き交っていたのだ。文明レベルとしてはエイルーン王国と然程変わらなそうだが活気に満ち溢れている。
「これなら宿にも期待できそうね」
「だね。でも、心なしか冒険者の数が多いような……」
「ホントだね。闘力が高い人もいっぱい!」
シグネは相変わらずの覗き見である。ただディオーナから指摘された点を意識してなのか、目をあまり動かさず、自然に町を眺めるかのように見渡していた。彼女なりに鑑定していると悟られないよう努力しているのだろう。
「あ、ギルド」
「本当ね。こっちの冒険者ギルドもあんまり変わらないのね」
俺たちが普段目にするギルドの建物とそっくりだ。半島の外でもギルドの景観は大体同じようだ。
「おい! こっちだ!」
「待てって! 本当にこんな居るのか?」
「ああ、二人そろって来ているらしいぜ!」
すると、突如俺たちの横を若い冒険者風の少年たちが駆け抜けていった。
「ん? 何だろう?」
「誰か有名人でも来ているのかしら?」
「行ってみようよ!」
野次馬根性が働き、俺たちは彼らの後を追ってみた。どうやらさっきの少年たちはギルド支部の中へ入ったようなので、俺たちも彼らに続いた。
支部の中は丁度夕方前とあってか、依頼を終えた冒険者たちで溢れ返っていた。
「うわっ! 凄い人の数……」
「こんなに冒険者が……!」
混雑時のブルターク支部以上の盛況ぶりだ。どうやらこの町は冒険者にとって旨味のある何かがあるのだろう。
「近くに美味しいダンジョンでもあるのかな?」
「かもな。ちょっと寄り道になるけど、行ってみるのもありかも」
名波と会話しながらギルド内を観察すると、奥の酒場スペースの方で人垣ができていた。その外側に先程の少年冒険者たちがぴょんぴょん飛び跳ねながら中を覗いていた。
「見えたか?」
「ああ、見えた! 二人とも、強そうだなぁ!」
「俺、S級冒険者なんて初めて見た!!」
彼らの会話を聞いてしまった俺と名波は顔を見合わせた。
「S級!?」
「へぇ、ここにはそんな人もいるんだねぇ」
バーニメル半島内にはS級冒険者は一人も居ない。当然、名波も見た事が無かった。だが、俺だけは聖女ノーヤの活動中に三人の冒険者と会っていた。
「え? S級冒険者が来てるの!?」
「うん、そうらしいよ」
さっそく名波がシグネに教えたようで、彼女は目を輝かせて人垣の方へと振り向いた。佐瀬も興味があるらしく、四人全員で酒場の方に向かった。
「うーん、人が多くて見えない……」
「イッシン、見える?」
「…………無理」
残念ながら、俺の身長は高校生時代の頃まで下がってしまった。
(……いや、大人になってもそこまで伸びなかったな)
例え数センチ上がったとしても、屈強な
俺もあの少年たちを見習って、年甲斐もなくピョンピョンするか?
すると、隣にいたシグネが暴挙に出た。
「ちょ!?」
「ここでぇ!?」
「シグネちゃーん!?」
シグネはエアーステップで冒険者たちの肩くらいに足場を作り、そこから堂々と中を覗いていた。これには俺たちだけでなく、近くにいた冒険者たちも口を開けて驚いていた。
「ん? ちょっと、そこの子!」
「ほえ? 私?」
エアーステップの効果時間が切れ、着地していたシグネだが、どうやら中にいた人物が気になったようで声を掛けてきた。すかさず野次馬冒険者たちが気を遣い、俺たちの前からどいて道を作った。
その割れた人垣の先には二人の男女が席に着いていた。見た目は20代半ばくらいの青年と女性である。
「あ!? カーター兄妹……」
そこにいたのは”氷糸界”討伐隊に参加していた双子の兄ライル・カーターと、妹リンネ・カーターであった。
(S級冒険者って……こいつらだったのか!?)
まさかの再会に俺は驚いていた。
「ふーん、この辺りでは見かけない顔だが……結構やるなぁ」
一方、あちらは聖女ノーヤの時に対面しただけなので、矢野一心の事は知りもしないだろう。それでも俺たちの実力を多少は評価してくれているのか、そう感想を述べてきた。
「ねえ、お嬢ちゃん。さっき貴女が空中で停止していたのは魔法よね? どうやったの!?」
「えっとね! あれは風魔法の【エアーステップ】だよ! ほら、こうやんの!」
風魔法【エアーステップ】は中々レア扱いらしく、俺たちパーティメンバーもシグネしか習得していないし、彼女以外の使い手を見た事がない。
そんなレア魔法を目の当たりにしたリンネが興奮していた。
「凄い! 噂には聞いていたけれど……空中に留まれるなんて……!」
「確かに……戦闘に利用できれば面白いかもな」
カーター兄妹は席から立ち上がると、シグネの【エアーステップ】をまじまじと見学していた。
思わぬ事態に俺は困惑するのであった。
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