第132話 阿呆の外交官
西バーニメル通商連合国の南部に位置するオース地区。そこにあるパナム町の冒険者ギルド支部では信じられない報せが届いた。
「…………は? 今、なんと?」
「だ、だから……全滅したって言ったんだ!! 討伐隊は……全員、殺された! あの蜘蛛の化物になぁ!!」
男が言い放った言葉に、ギルド内はしんと静まり返ってしまった。しばらく静寂がその場を支配していた重い空気の中、ギルド職員の男がやっと口を開いた。
「ま、まさか……そんな筈は……! だって≪猛き狩人≫も参加していたんだろう!? そ、そうだ! 討伐隊にはA級冒険者が二名も加わっていたんだ! 彼らは、一体どうしたんです!?」
「知らねえよ! 俺たちが見た時には、既に討伐隊は散り散りになって逃げ始めていて、蜘蛛野郎は次々とそいつらを殺しまわってたんだ! きっとA級の奴らも殺されたんだろうさ! あんなの……人が勝てるわけがねえ!!」
ギルドに一報を入れに来たこの男は討伐隊には参加せず、その後を勝手に付いて来ていた冒険者であった。討伐隊に参加できるだけの勇気も技量もなかったが、あわよくばお零れでもあればと考え、こっそり後を付けていたのだ。
実は男と同じ不埒な考えの者は多かったが、その殆どが逃げるタイミングを見誤り、氷蜘蛛に凍らされるか捕食された。
この男は臆病だったので十分な距離を取っていたのと、魔力耐性も多少あったので運よく難を逃れた一人だ。
この男を含め、森に入った生存者はかなり僅かであったが、それでも複数の者から同様の報告が挙がり出し、ギルドはいよいよ討伐隊が全滅したのだと認識し始めた。
だが、事情聴取をする中で彼らは、恐ろしい事態に気付いてしまったのだ。
「……氷蜘蛛が、開拓村の方に向かってきている、だと!?」
「ああ、そうだよ! 急いで報告にと、俺は必死に走って戻ってきたんだぜ!」
実際には氷蜘蛛から逃げていた過程で、村や町のある北側へと誘引してしまったのだが、自分勝手な冒険者や傭兵たちはその事に無自覚であった。
かつて≪猛き狩人≫のリーダーであったザップが危惧していた予感が、悪い方に的中してしまったのだ。
「た、大変だ! このままでは……氷蜘蛛が町にもやってきてしまう!!」
開拓村からパナムの町はそう離れていない。もし仮にその恐ろしい魔物が開拓村を襲い、村民たちを食べ尽くした後、次はどこを標的にするだろうか。
答えは勿論、一番近いこのパナムの町だ。
心なしか今日は普段より空気が冷え込んでいる様に感じられる。ギルド職員はそれが、災厄が近づいている証拠なのではと思わずにはいられなかった。
「……っ!? す、すぐに統制局へ知らせなければ……!」
ギルド職員の悪い予想は的中し、数日後、オース地区は文字通りの地獄絵図となり、彼の人生もそこで幕を閉じた。
長い船旅生活をなんとか乗り切り、オールドラ聖教の司祭、ケンプはようやくメルキア大陸のニューレ港へと辿り着いた。
「ここがメルキア……。ふん、やはりルルノア大陸よりかは数段劣るな」
周囲の人間には聞かれないよう小声で愚痴を零した。
ケンプ司祭は本国、カンダベリー聖教国で勤務する司祭であった。
しかし、ちょっとした不祥事から左遷されてしまい、東部にあるというメルキア大陸での、とある任務を本国から言い渡された。
それは十二番目の
その任務自体に異論は無いのだが、捜索する場所が最悪であった。己が生活していたルルノア大陸よりも文明で劣るメルキア大陸、更にはそのメルキア大陸でも田舎だとされるバーニメル半島内での捜索任務を任されてしまったのだ。
現在自分がいる港町ニューレは、半島内でも一番の首都だと評されている。確かに人の数は多いようだが、船も建物もどれも古臭く、それにどこもかしこも臭いとケンプが感じるのだ。
尤も、臭いの大半は磯臭さが原因であり、これは港町では仕方の無い事であるのだが、内陸育ちで沿岸部を良く知らない司祭には、それが不愉快で我慢ならなかった。
(くそ! どうして私が、こんな田舎に……!)
内心で愚痴り続けていると、迎えの信徒が姿を見せた。
「これはケンプ司祭、長旅お疲れ様です。ご案内役のセルベルと言います」
「……本国から来たケンプだ。宜しく頼む、セルベル助祭殿」
案内役は半島育ちだというセルベル助祭が買って出た。
彼は西バーニメル連合国にある全ての教会の纏め役という大層な立場だが、それでも階級は司祭である自分の方が一つ上であった。それ程、この半島内では聖教の勢力が小さい証左である。
仮に本国で複数の教会を束ねる代表者となると、大教区長レベルの者でなければ務まらない重要な役職なのだ。
(こんな青二才が纏め役か。これだから、半島の田舎は……)
今回ケンプが起こした不祥事は金銭トラブルだ。ケンプ本人としては相手に当然の対価を要求したつもりだったのだが、どうやらそれが法に抵触していたらしく、左遷だけでなく、危うく階級も助祭に降格させられるところであった。
神の使者捜索任務の際、役職が低いと何かと不便だろうからとの温情で、なんとか司祭の位は保たれたままだ。
ただし、結果が芳しくなければ降格するとも同時に告げられているのだが……
(大体、何処にいるかも分からぬ者の捜索など、土台無理な話なのだ! ここは適当に情報をでっちあげて、何としても本国に戻らねば……)
ケンプ司祭が私利私欲まみれな考え事をしている際中も、前を歩くセルベル助祭はニューレの街を案内し続けていた。
すると、路地裏から突如、大声が飛び交った。
「ね、猫だー!」
「赤毛の猫が出たぞー!!」
「鑑定士を直ぐに呼べ!!」
「そっちへ逃げたぞー!」
「な、なんだぁ? 一体何の騒ぎだね?」
路地裏から一匹の野良猫が現れ、人々の足下をチョロチョロ避けながら港の方角へと逃げていった。それを見た人々は驚きや悲鳴の声を上げて次々に逃げ出し始めた。
(い、一体何なのだ、この国は!? 猫一匹がそんなに怖いのか!?)
奇異な目で騒動を見学していると、横に居たセルベル助祭がその理由を説明してくれた。
「実は……数週間前から連合国の領土内で“赤獅子ミケアウロ”が現れたのです」
「な……なぁっ!? あ、赤獅子って……あ、あ、あ、あの……あの赤獅子かぁ!?」
かの有名な七災厄の一匹がこの地に現れたと聞いて、ケンプ司祭は腰を抜かして驚いた。
そんな司祭をセルベル助祭は窘めた。
「ご、ご安心してください。さっきの野良猫はよく見ると茶色でした。魔力も感じませんでしたし、多分普通の野良猫でしょう」
「…………あ? た、確かにそうだな……うん、きっとそうだ! ははっ……!」
何とか心を落ち着かせて正常に戻ると、ケンプは先程見せた失態など無かったかのように振舞った。
「ご、ごほん。しかし……ミケアウロが出たというのは本当なのかね?」
「それは間違いないようです。実際にギルドの鑑定士が視たそうですし、その他にも見たという者も出ているそうですが……未だ連合国の領土内に潜伏しているみたいですね。お陰様でルルノアから来た商人の何人かは、そのまま船で逃げ出してしまいましたよ」
「そ、そうか…………」
自分もさっさと逃げ出したい。ケンプは心底そう思うのであった。
フランベール要塞からランニス子爵をお連れした後、俺は長谷川に会談の日時を伝えた。子爵や侯爵も立場上忙しい身なので、会談は翌日直ぐに取り行う旨を伝えた。
新日本国側もそれを了承し、そして会談当日――――
「ま、私たちが参加できる訳ないわよね」
俺たちは一応会談の橋渡しをした立場ということで、会場である侯爵邸には居合わせたが、実際に話し合いが行われる室内からは追い出されてしまった。
「はは、君たちが新日本政府の所属になるというのなら、同席してあげる事も叶うかもしれないよ?」
「……というか、宇野事務次官殿は会談の場にいなくても平気なんですか?」
俺たちと同じく隣の部屋で待機していた宇野に話し掛けた。
「ああ、私も追い出された身でね。まぁ、彼らとは違う派閥の人間だし、そもそも外交となると私は畑違いだからな」
宇野は領域外調査庁の事務次官という立場で、外務省ではなく、防衛省の外局に所属しているらしい。領域外、つまり新日本政府の領土外の調査や管理を任されている機関だが、外交となると話は別。当然、そちらは外務省の管轄となるそうだ。
「でも、長谷川さんは中に入っていきましたけど?」
確か彼は領域外管理局という、同じく防衛省の外局に所属する立場だった筈だ。
「あいつはああ見えて有能でね。違う部署とはいえ、上からは重宝されている存在なんだ」
「……ああ、成程」
実際にあの人も有能なのだろうが、彼が一番期待されている役目は【鑑定】スキルの方だろう。話に聞くと、官僚クラスで【鑑定】持ちは非常に少ないらしい。
「ところで矢野君。さっき侯爵と一緒に入って行った女性は何者なんだい? 侯爵の秘書官としか聞かされていなかったが……」
流石は宇野事務次官だ。周囲のちょっとした所作で、彼女が尋常ならざる立場の者なのを瞬時に見抜いたのだろう。
どうせ近い内にバレることだし、俺は白状した。
「あのお方はエイルーン王国の第三王女、フローリア・ロイ・エイルーン様です。偶々、この街に居合わせていたんですよ」
「なんと!? まさか、そんな身分の方が……」
流石に王女様が出てくるとは思わなかったのか、宇野は珍しく驚いていたが、暫くすると彼は悪い笑みを浮かべていた。
「しかし、まさか王女殿下が同席されるとは……君も知っていて黙っていたな? 大臣たちも気の毒に、くく……」
宇野に釣られ、俺も悪い笑みを浮かべた。
「さぁ、俺はあくまで“メッセンジャー”ですからね」
それを知らずに東山大臣や上杉政務官が恥を掻こうが俺は知った事ではない。いや、寧ろ失敗しろ! 大恥を掻いてしまえ!
会談は数時間にも及んだが、暫くすると両陣営が部屋から出てきて話し合いは終了となった。一応この後歓迎の食事会なども予定されていたが、どうやら大臣たちは一度宿に戻り、翌日改めて話し合いを設ける運びとなったみたいだ。
彼らの真っ青な表情を見る限り、どうやらかなりの失態を犯したようだな。
「あの人たち信じられない。王女様に夜のお誘いをしたんだよ!」
「ええええっ!?」
「ま、まさか……」
「というか、ルミ
「あはは。【五感強化】スキルで聴力を上げると、ね」
どうやら名波はわざわざスキルを使ってまで、聞き耳を立てていたらしい。
詳しい話の流れは割愛されたが、東山大臣が秘書官と称して同席していたフローリア王女の姿に見惚れ、アプローチを掛けていたらしい。
(いい年した老人が……エロジジイめ!)
しかも上杉政務官までそれを後押しするかのように、夜の伽を仄めかす様な交渉の条件を提示したとか……本当に救いようのない阿呆たちだな。
よくそれで無礼打ちにならなかったなと思ったが、護衛で同席していたケイヤが抜刀一歩手前の状態だったらしい。その彼女自身も、上杉に粉をかけられたとか……
(誰だよ!? あの馬鹿共を外交官に任命したのは!!)
当然話し合いは中止となり、翌日以降はその両者を外す旨を通達した上で、なんとか会談は継続するに至ったらしいのだ。
「イッシン! 一体何なのだ、あの不埒者たちは! 父上が止めていなければ、私が斬り捨てているところだったぞ!」
「……うん、別に斬っちゃっても良かったんじゃね?」
王国側は全員ブチ切れ寸前であった。ケイヤを止めたというランニス子爵だが、彼も籠城戦時では見せた事のない恐ろしい顔のまま無言であった。こわっ!?
長谷川が土下座をしながら根気よく謝罪したお陰か、何とか決裂までには至らなかったようだが、これは流石にメッセンジャーを引き受けた俺たちも立つ瀬がないというものだ。
「……この度は、同郷の恥知らずたちが、とんだご無礼を……。あちらには俺たちからも厳重に抗議しておきます」
「イッシン殿の所為ではありませんよ。まぁ、確かに私も身分を偽って参加したのが不味かったようですが、今回の咎は全てあちらの外交官たちにあります。あの二名以外はまともそうでしたので、今後も話し合いは継続としましょう」
「……姫様がそうおっしゃるのでしたら……。イッシン、君たちからも連中に『次は無い』と伝言してくれないか?」
「はい、承りました」
侯爵のオーダーに俺たちは頷く他無かった。
その日の夕方、俺は早速抗議をしに宇野たちの宿泊している部屋へと訪れた。すると宇野の宿泊している部屋の隣では、政府の人間が荷造りで忙しそうにしていた。
「ああ、あの二人は早々に新東京へと送り返す。この場に留まっては最悪無礼打ちで殺されるかもと脅したら、彼らも快く納得してくれたよ」
厄介者がいなくなって清々したと宇野は語っていた。
「それなら良いんですが、明日からの会談は宇野さんが出られるんですか?」
「いや、さっきも言ったが我々防衛省の管轄ではない。不測の事態だし、同席だけはするかもしれんが、外交役は秘書官が引き継ぐ手筈だ」
「秘書官って……政治は良く知らないんですけど、こんな重要な会談で交渉できる立場の方なんですか?」
侯爵や王女殿下を相手に秘書官では役者不足ではなかろうか?
「まぁ、私なんかが出張るよりかはマシじゃないかな? 秘書官と言ってもピンキリだが、彼は叩き上げだから……多分、大丈夫だろう」
そこまで言われると俺は何も言えない。いや、そもそも俺が口出しする案件ではなかった。そもそも俺がここに来た理由は、会談で起こった不始末について言及する為だ。
「それなら構いませんが、今日のような真似は勘弁してくださいね? 侯爵も子爵も激オコでしたよ? 橋渡しをした俺たちにも立場があるんですから……」
「ああ、済まなかったな。こんな真似は二度と私が許さないよ」
「侯爵も次は無いって言ってましたからね? 本当にお願いしますよ?」
俺は宇野に念押ししてから侯爵邸に戻った。
翌日、宇野の言葉通り、新日本政府側の交渉は秘書官が引き継いだが、やはり王国側からは下に見られているのか、話し合いは難航しているようだ。
本日は名波の鋭い聴覚と佐瀬の【テレパス】を併用して、俺たちにもリアル中継で状況が伝わっていた。
それで分かったのだが、そもそもエイルーン王国側は、新日本政府をまだ国と容認していないみたいだ。
(思ってみたら、侯爵も子爵も“シンニホン”とは呼んでも、“シンニホン国”とは一度も口にしていなかった気がする)
王国側からすれば、彼ら日本人は北方民族自治区のエリアに拠点を築き、勝手に国を名乗っている集団に過ぎないのだろう。
国家とは周辺の国々が容認して初めて成り立つものだと俺は考えている。新日本政府は、まずは王国から国として認可して貰えるよう訴えるところから交渉が始まるのだが、これが中々思うように事が運ばない。
確実に昨日のやらかしが尾を引いているのか、侯爵たちは強気の態度だ。
一方、新日本の秘書官は叩き上げだと聞いてはいたが、これまでの外交経験はあくまで“日本”という経済大国のネームバリューあっての外交だったので、そのアドバンテージが一切通用しないこの世界での交渉は難易度も桁違いであるようだ。
結局、二日目も建設的な話し合いが行われず、新日本政府側は一度出直すことを決定した。
「ふむ、思ったより歯応えのない連中だったな」
「ですが、護衛の練度は馬鹿にできませんね」
「シンニホンは特殊な遠距離武器を所持していると耳にしています。きっと彼らも持っているのでしょうね」
侯爵、子爵に王女様が三人揃って新日本政府の評価を下していたが、感触はいまいちのようだ。今のところ友好国として、手を取り合っていくだけのメリットを然程感じられないみたいだ。
(……仕方がない。ちょっとだけ手助けしてやるか)
このまま両国の関係悪化ともなれば、王国内に在住している元日本人たちの立場も悪くなる。俺たち自身の為にも、ちょっとだけ援護射撃する事にした。
「皆様、恐れながら一つご提案があるのですが……」
「……ふむ? 一介の冒険者が交渉ごとに口を出すつもりか?」
言葉の内容こそ刺々しいが、侯爵の表情は笑っていた。どうやら俺たちも彼らに試されている立場みたいだ。これまでの行いで俺たちは彼らから、ある程度の信用を得ているからこそ、このような態度で済んでいるのだ。
(普通、平民は恐れ多くて貴族に口を挟む真似など出来ないからな)
「はい。ですので、一介の冒険者の戯言とでもお思い下さい。一度、彼らの住んでいる新東京を視察してみる、というのは如何でしょう?」
俺の提案に侯爵たちは互いの顔を見合わせた。
「……確かに。相手の素性が知れない状態で交渉を続けるのも危険かと……」
俺の意見に賛同してくれたのはランニス子爵だ。
(流石はケイヤパパ! 頼りになるぜ!)
「む、しかし誰を遣わせる気だ? それに、連中の拠点へと向かうとなれば、流石に言い訳も苦しくなるぞ?」
言い訳とは、侯爵、子爵、王女が勝手に日本と交渉した件に対する王政府への言い訳の事である。
今回の会談は、侯爵たち三名が新型ゴーレム研究をしていた所に、偶々新日本政府から話し合いの打診があったので聞いてみた、という設定になっている。
しかし会談が一旦流れた事で、これ以上王政府に内緒でとはいかないのだ。既に王都へ向けて報告の早馬を走らせているらしい。恐らく明日中には王政府にも事態が知れ渡る頃合いだろう。
「当然、最終的な判断は陛下にお任せする所存です。ですから、我々はあくまで提案をするのです。相手の拠点に赴き、実際に視察してみては如何か、と……」
ランニス子爵の言葉に侯爵は顎に手を当てて考えた。
「……成程、じゃあ誰が行くとなったところで『言い出しっぺの我々が』という流れだな?」
侯爵と子爵は二人揃ってニヤリと悪い笑みを浮かべた。
「そ、それなら私も――」
「「――姫様(王女殿下)は駄目です!!」」
二人揃って王女を窘めた。
さすがに一国の王女を得体の知れない場所には連れて行けない。侯爵と子爵は派閥が違う両者だが、そんな二人は妙なところで仲が良かった。
「そ、そんなぁ……」
フローリア王女は新日本国の街が気になる様子で、とても行きたそうにしていたが、それを周囲が必死になって引き止めていた。
(ケイヤ、大変そうだなぁ……)
俺としては顔馴染みのケイヤも新日本に来てくれると嬉しいのだが、こればかりは難しそうだ。
「まぁ、どちらにせよ、一度は王の判断を仰がねばならぬ。イッシンよ、ゴーレム研究もあるだろうから、しばらくブルターク付近に待機して貰えぬか?」
「乗り掛かった船ですので、ひと段落するまではお付き合いします」
後は新日本政府がどのような対応をとるのか、俺はそこだけが気掛かりであった。
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